亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

プラチナと金の価格逆転

2014年10月16日 23時57分37秒 | 金市場

昨日は、米国債、ドイツ国債の上昇すなわち金利低下について書いたが、15日の市場でもドイツ国債が急騰し、今度は1日で10%以上値を上げた。その結果利回りは一気に0.715%まで下がることになった。ただし、さすがに今夜はこの時間(23時40分)反落状態となっている。それにしても15日は、イタリア債やスペイン債は値を下げていた(金利は上昇)ので、その中でのドイツ債の急騰はまさにリスク‐オフの流れが高まった証しでもあったろう。もっともドイツ債に限らず16日はNYダウが460ドルも売られたタイミングでは、米国債も急騰し利回りは2%割れから1.9%まで割れることにあった。

これだけ長期金利が短期間で下がってくると、先週8日のFOMC議事録にて潜在成長率の低下の可能性を背景に、成長見通しを下方修正した(FOMC)参加者が多かったということと整合性があり、後追い的に債券市場がそれを示していることになる。

それにしても、こうなると貴金属市場では産業用需要の多いプラチナなどが下げやすくなるのだが、本日のNYの早い段階での取引では、金とプラチナの価格差が縮まり逆転も見られるような状況となっている。実は、先行きこの逆転現象が珍しくない環境が到来するのではと思っている。直ぐにそうしたことが常態化するとは思わないが、米国を中心に金融政策が手詰まり状態になったとすると、金融的側面から金が買われる環境が醸成され、その際にプラチナは金に連れ高とはならずシルバーが後追いするようなパターンをイメージしている。



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