亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

際限なく続く株高に慢心が生まれているのか

2018年02月01日 23時31分40秒 | 金融市場の話題
1月最終日となった31日のNY市場の金価格は反発で終了。月足は2.6%の上昇。地味な動きだが、昨年の8月(+3.8%)以来の上昇率。暗号通貨(仮想通貨)の値動きの荒さが年始以降目立ったので、安定しているというか、どっしり構えているというか、これがGoldですという感じ。これでもカネ余りの矛先がこちらに向くと軽くなるが、株式市場でのショーが続いているので、こっちはひっそりとした展開が続いている。

FOMCでは予想通り政策金利の据え置きが決定された。発表された声明文に総じてサプライズはないものの、いくつかの文言の変更が次回3月の会合での利上げを示唆し、利上げ加速の可能性を示唆するものとの解釈を生むことになった。特に焦点のインフレについては、見通しについて12月会合では「2%以下にとどまることが予想される」としていたが、今回は「今年は上昇する見通し」に変更された。また、雇用や家計消費、設備投資について「拡大」、「上向いた」と改善方向を示す表現が、「堅調(solid)」と改められた。総じて、ここにきて先行きに自信を深めたものとの見方が生まれることに。

いつもながら視点をどこに置くかで解釈もかわってくる。

市場の雰囲気をどの程度変えたかは不明だが、声明文発表直後には米長期金利は一時2.75%に跳ね上がり金は1340ドル割れの急落状態に。株式市場もダウなど主要指数ともに前日比マイナス圏まで売られたのは、利上げ加速への警戒感の高まりとみられた。しかし、売り一巡後はいずれも値を戻し金も株式市場もプラス圏に復帰した。長期金利はその後低下し2.705%で終了した。今朝は31日のNYダウとNY金のチャートが、同じ軌道を描いているので笑ってしまった。

そういえば31日は、米1月のADP民間雇用データが、市場予想(18万5000人増)を上回る23万4000人増と、2ヵ月連続で20万人超の増加となったが、市場は無視。雇用者増加数や失業率は“旬のデータ”ではないわけで、明日の1月の米雇用統計での平均受給の伸びを注視ということに。今夜のISM製造業も多少動いても、水準の高さはわかってマス!!ということか。長期金利を大きく動かすほどの結果になれば、別だけど。

際限なく続く株高に、データを見る目にも慢心が生まれている。
昨夜は、東京でも天体ショーを見ることができた。直列で人心にも何か影響があるのだろうか・・・。

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