亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金融版「不都合な真実」 いろいろと面白い展開になってきた

2018年02月02日 19時57分36秒 | 金市場
2月1日の市場の話題は、欧米長期金利の上昇だった。米10年国債利回り(=長期金利)は、一時2014年4月初旬以来約4年ぶりに2.8%に迫る水準に上昇。ドイツ国債も売られ10年債は0.724%に。ちなみに年始は0.468%だった。この中で、究極の官制相場で我関せずの無風状態の日本の長期金利もジワジワと上昇。

もともと2016年9月(21日)の会合にて日銀は、それまでの量から金利に金融緩和の枠踏みを変更。長期金利を0%程度に誘導する、つまりゼロ近辺に張り付かせる政策を取ってきた。それが先行した欧米金利の上昇に煽られるような形で、先週あたりからジワジワと上昇圧力を増していた。昨日は0.095%と10年債の利率(クーポン・レート)となっている0.1%に急接近。

・・・と言っても、0.01%(1bp)台の変動の話で、一般生活上の感覚では????それが、どうしたのよ?という話ではある。しかし、当事者であるところの日銀には無視できない上昇。このままなし崩し的に金利を上昇させるのは、安倍政権の第1の矢、異次元緩和の行き詰まりをイメージさせ、そのまま目先の円高を加速させるのは必至という展開。

そこで定例の買付け(国債買付け)が予定されていた本日、どう動くのか関係者の間では注目されていた。買取り額の増額に加え、0.0110%での買い指値を発動。市場では0.1%は付いていなかったが、予防的に乗り出したもの。

穴に潜んでいたら燻り出されたBOJ(日銀)。

さて問題は、ドル円相場にどの程度影響を及ぼすことができるか。昨日あたりからドル円は108円台から109円台に上昇していたのは、この日銀の行動を先読みしてのものだろう。日本時間の2日19時過ぎの時点で110円は超えていない。日銀が指値をして“金利釘づけ”の意志を示せば、1、2円ドル高方面に動くとの指摘があったのだが。さてさて、どうなるか。。

米雇用統計の結果と合わせて、NY時間の動きが注目される。

しかし日米欧ともに超開放的な政策を波風立てずに手仕舞うのは、とてもとても難儀なことなのです。間違って金利が急騰すれば、そもそも自分たちも困るのだから。最大の国債保有者は、何のことはない中央銀行自身というのが、金融版の不都合な真実。行きはよいよい、帰りはこわい。いずれ、多くがGoldに関心を示すことになるでしょう。


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