亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

今夜はイベントデー(予想と現実のかい離)

2020年04月15日 20時25分37秒 | 金融市場の話題
米国株式の力強い戻りが続いている。発表される経済指標や業績発表の悪さは織り込み済みで、すでにそれらは3月の暴落でみそぎを済ませていると言わんばかりの展開となっている。たしかに感染拡大にしてもデータ上はピークアウトしているのかもしれない。ただし、いわゆるプラトーと表現される横ばい状態もあるわけで、直ぐに制限解除とはいかないのではないか。プロパガンダの一環としてにぎにぎしく解除宣言した中国・武漢にしても、報じられている状況からは、想定以上の時間がかかると見た方がいいのではと思われ、米国も同じだろう。中国で再燃すらありえる世界。したがって米国株の戻りも、順次表面化する経済実態の中で、どこまで強さを維持できるか見ものという感じではある。

米国経済の回復見通しについては、地区連銀総裁の間でも温度差があり、V字型となるにはかなりの条件付きということのようだ。理屈の上では、急収縮した経済につき、へこんだ部分を感染拡大の出口が見えるまで財政で肩代わりして、メドがたったら締めた手綱を緩めれば(封鎖解除)、以前の軌道に戻るという話ではある。ところがウイルス自体に不明な部分がいまだ多く、解除のタイミングが計れないというのが実態だろう。もっとも11月の選挙を控え、米国大統領は解除したくてウズウズしているのはご存じのとおり。

近々、封鎖解除に向けた指針を発表するとされるが、どの程度合理的で説得力のあるものが発表されるのかタイミングはどうか、こちらも見もの。自分が主導権を握りたいばかりに、いくつかの州知事との間で摩擦が高まっているが、都市部は民主党が強いのでロックダウンしているところと重なるだけに、話はややこしい。

日本時間の午前に伝えられた定例の記者会見では、WHO(世界保健機関)を非難し、資金拠出を停止するよう指示したとされる。たしかに当初からWHOの専務理事は(ここでも書いたが)中国寄りのスタンスを感じさせて動きに疑問を感じさせたのは事実と思う。しかし、世界中が感染防止、沈静化で闘っている最中に、かかる行動を取ること自体が???ではある。今に始まったことではないが、結局、民主党が指摘しているように、初動の遅れから感染が広がった責めを問う声が高まったことに対する、“すり替え”がWHO批判ということになる。春になり暖かくなればウイルスなど奇跡のようにすっと消える、などと言っていたのはニュース映像でも残っているので、甘く見ていたのはたしかではある。

本日は米国関連で注目指標の発表が重なる。米3月小売売上高、米4月NY連銀製造業景気指数、米3月鉱工業生産にベージュブックと日本時間の21時30分から明朝まで続く。今夜はイベントデー。内容に対する市場の反応をじっくり見て、示唆するもの(Implication)を考えましょう。深刻なスタンスの予想と現実のかい離がどうなるか。
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