さて本日からFOMCが始まる。金市場はすでに模様眺めの展開で目立った動きは見られずレンジ相場。株式市場では、ナスダックの下げが目立つ。12日の市場では、この株安のリスクオフ展開の中で、ドル安というよりも日本円買いが目立つ展開で、ドル円は109円台半ばまで下落。過去1ヵ月にわたり、こうした折には金も買われ、円高、(ドル建て)金高が並行するパターンが多く見られたが、足元で金市場には反応なし。金市場の動きが鈍いのは、FOMCというイベント待ちということもあるが、国際的な政治リスクがやや沈静化していることもありそうだ。
昨日も触れたが、11日日曜日に第1回目の投票が行われたフランス国民議会(下院)選挙は、伝えられているようにマクロン新大統領率いる新党「共和国前進」が、18日の2回目投票を待たずに過半数を大幅に上回る可能性が大きく大勝の勢いとなっている。新党は、右派も左派もバランスよく取り込んだところが支持を集めたとされる。基本方針は親EU(欧州連合)だけに、春先に懸念されていたフランス政局の流動化から欧州危機という流れは、この議会選挙を持って払しょくされたことになる。まさに雨降って地固まるという展開で、金市場にとっては上半期の欧州政治要因を手掛かりにした買い要因は、大きく後退することになった。それが、足元の円に連動しない金の反応の鈍さの背景のひとつとみられる。
本日は、間もなく5月の米PPI(生産者物価指数)が発表される。インフレ率の鈍さが関心事となっている中で注目指標となる。さらに政治面でセッションズ司法長官が上院特別情報委員会で証言する予定。昨年の大統領選を巡るロシアの関与にからんだ調査の一環で、「ロシアゲート」を巡りトランプ政権の高官が議会で証言するのは初めて。PPIよりこちらの内容の方が、金価格に影響を与える可能性がありそうだ
今回の選挙結果を見ると、まこと納得。