亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

行き過ぎれば金融波乱も

2017年03月21日 22時34分37秒 | 金融市場の話題

17日の金曜日のここにドイツでのG20財務相・中銀総裁会議について書いた。報じられたように結局、米国の強硬スタンスに押し切られるようなかたちで、声明文から「あらゆる形態の保護主義に反対する」との文言が削除されることになった。話し合いにかなりの時間が割かれたようだが、結局、議長国のドイツの判断もあり、米国の主張を受け入れたようだ。7月のG20首脳会談に実質的には持ち越された形とされる。しかし、首脳会談のほうが難しかろう。今や首脳会談を米国大統領が欠席ということすら、あり得る世界となったと思う。

週明けにこのニュースについての金融界の反応をいくつか目にしたが、「予想通り、サプライズはなし」という解説が多くみられた。事前に報じられていた通りというものだが、トランプ政権の貿易赤字削減に向けた強い意志を最終確認という点で、大いに意味ありと捉えている。

相手国との関係で米国の赤字が大きいケースを“不均衡”と捉え、その背景には不公正な取引慣行があり、その是正に交渉で臨むということだが、貿易摩擦は避けられないだろう。何よりも、赤字の“片寄り”となっている背景を深く検証せずに、「赤字=害悪」との直線的な(トランプ大統領の)解釈を基にした行動を、修正せず国家を挙げて取り組み始めたのは驚きといえる。「本気でトコトンやる気なんだ!?」という感じだ。世界経済にも金融市場にもいい話ではないと思う。

これまで世界経済を回してきた、米国の貿易赤字を基盤にした(基軸通貨である)“ドル自動還流システム”とでも呼ぶべき流れを阻害する試みは、行き過ぎると高みにあるNY株ももたないのではと思う。FRBの利上げと重なると、引き締め効果が強まり金融波乱もありかと。行き過ぎれば、ということだけれど。。

今年もあっという間に桜の季節になった。本日は、靖国神社の標準木が全国で一番早く開花したらしい。東京は、朝からそこそこの雨だった。後1週間もすれば神田川沿いの桜も咲き始めるかな。とにかく時間の経過が早く感じる。

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