2月9日に「今後2~3週間で驚くべき税に関する発表をする」と発言したトランプ大統領。株式市場は即座に反応し主要3指数そろって過去最高値の更新を続けた。しかし、待てど暮らせど出される気配なし。期待した2月28日の施政方針演説では、軍事費の大幅増額、海外援助の大幅カットが目立つだけで、減税案はここでもスルー。それでも株式市場は、持ちこたえ。期待先行ながら、いずれはというスタンスを崩さずに時間は経過。
21日のNY株安は、トランプ・ラリーが始まって初めての大幅下落。ダウにして2万1000ドルという水準からは、この程度の下げは自然の流れであって、これまで起きなかったことの方がサプライズといえるもの。問題は、この後の展開で続落となるか素早い反発をみせるか否かで市場センチメントに影響し方向性が出やすくなると思う。この場合の方向性とは、“下げ”を意味するのだが・・・。
こうなると23日に下院で採決の予定とされる、オバマケア修正案が注目されることに。
おそらく採択されるだろう。しかし、日本の国会と違い米議会は党議拘束はかからず、個人の自由判断で選挙区の状況をにらみながら投票するので、共和党議員の中にもオバマケア賛成者は少なからず存在するとみられることから、果たして結果はどうなるか。そこで大統領は、21日に下院に赴き賛成票を投じるようプレッシャーを掛けたとのこと。
修正案が否決されると、モメンタム系のヘッジファンドが株の売り崩しに出るものと思われる。同時に膨れ上がったボンド・ショートが買い戻され(金利低下)、金は1300ドル接近となりそうだ。そして、ドル円はついに110円割れだろう。