亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

インドの豊作、新興国と原油価格

2006年08月28日 15時48分58秒 | 金市場
「閑散に売りなし」とはよく言ったもので、まさにその通りの展開。本日はロンドン市場が休みにつき、欧州の時間帯もパッとしない展開が続きそう。物理的にも相場は煮詰まりつつあるとも言えるわけだ。今週はNY時間の29日に8月のFOMCの議事録が公表されるが、金利の据え置きを決めたものの反対者もおり意見が割れていたということが話題になる程度か。本日の日経朝刊の「中国・アジア」面にインド経済の記事が出ていたが、海外からの直接投資も滞りなく続いており高成長が続いているとしている。

金市場からの視点で読み解くと、まず世界的に異常気象が指摘される中でインドの農業生産は順調に進んでいること。早い話が今年は去年以上に豊作が期待できるということ。穀物、サトウキビ、綿花など前年を大きく上回る見通しという。就業人口の6割が農業なので、これは大きい。インドといえば婚礼シーズンに金需要が高まることで知られているが、それは農村部でのこと。つまり期待される大豊作は金需要をいたく刺激するわけ。ここ2~3年中間層の増加を睨み都市部で宝飾店が増加し、金需要を底上げするとの見通しも立ったが、やはり最大セクターは農村部。所得の増加は、需要の底堅さにそのままつながることになりそうだ。時間の経過とともに600ドルを越えた価格に対する慣れも生まれるとみられ、金市場にとってはプラスの材料。

インドについてのもうひとつの注目点は、原油の上昇が経済全般の負担になるということ。インドの場合もガソリン価格など国内製品価格は国際価格に連動しているわけではなく、政府の統制価格になっているわけ。形としては国際価格の上昇分を政府が肩代わりして負担しているために、財政赤字はどんどん膨らむことになる。このままでは政府といえど持たないので、国内販売価格を上げたいが政治的な理由で簡単には上げられない。今のマンモハン・シン政権は共産党など貧困層を支持母体としている党との連立政権につき、まず内部の説得から始めないとならない。エネルギー価格の上昇は、インド経済のアキレス腱というわけ。経済成長とともにエネルギー消費量も増えており、ここまでは経済の絶対規模の拡大でその負担を吸収してきたというのが現状なのだろう。

この構図は、じつはインドに限らずエネルギー資源を持たない新興国はみな同じといえる。とりわけ大国ほど影響は大きい。すなわち中国も同じということ。原油価格の上昇は、米国や日本よりも中国、インドへの影響の方が大きいとも言えるわけだ。中国が国際的政治摩擦を無視してまでエネルギー資源の絶対量の確保に国を挙げて取り組んでいるのもそのため。いずれインドもそうなるということ。

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4 コメント

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サウクルの転換期 (投資小僧)
2006-08-28 22:07:10
ついにCRBの波動の転換期が訪れます。4年続いたエリオット波動1波は終わり修正波へ ファンダメンタルは価格を押し上げ、米景気後退と共に、行き過ぎた価格がファンダメンタルを調整します。全銘柄総売りです。金は600ドルは軽く下回り、540~570に これは相場が波であるための定め。株もバブルは日米ともにサイクル理論でみても商品と同じく2007年の底入れまでは下がるでしょう 2007年は買い 明日から売りの時代!!
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サイクルの転換期2 (投資小僧)
2006-08-28 22:53:38
今晩あたり、COMEX銅価格、貴金属、石油が暴\落の兆しあり チャートは崩壊寸前 75日平均線も数年ぶりに下向きスタート。商品の先行指標である銅はLMEの現物と先物の間の逆ざやが縮小して需給緩和方向。いずれ順ざやに チャートは今晩崩れれば暴\落スタートでしょう。教科書に書いたようなきれいな天井チャートです。相当はげしい下落が見込まれ、急上昇のスタート地点まで下げるでしょう チリのストなんて相場の波には逆らえません!それが相場 だからみんな相場で負けるんです イラン問題や、テロ、ストなどで買いを入れたら死にます!
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投資小僧さんするどい! (いつも拝見しております)
2006-08-29 07:36:24
お疲れさまです。

残念ながら、下値を試す展開ですが、気がかりな記事を見かけました。



国債残高の伸び鈍化・税収増や消却拡大で

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060829AT3S2801R28082006.html



よくよく読むと、投資小僧さんの意見が何となくわかる気がします。

国債残高が下がれば、同時に日本円も少なくなるはずですし、それを加味すれば深刻なデフレに陥る可能性もあるように思えます。

株式市場も今朝は上がるかもしれませんが、ポジションは軽めに利食いから始める方がいいかもしれません。

あらゆる投資資金が日本国債に集中!なんてことになったりして・・・



ただ、「金」は不思議な魔力を秘めているのでここで止まっちゃうかもしれませんけど・・・
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ポジション整理が先決! (いつも拝見しております)
2006-08-29 09:26:57
であって、買いを薦めた訳ではありません。

一応、再投稿しておきます。

ただ、相場は何が起こるかわかりません。
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