亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ETF月初から50トン増加

2010年05月13日 23時52分55秒 | 金市場
本日はランダムに。

①ふと気付いたのだが、当ブログは5年前の5月12日からスタートしたので、まる5年を経過したところ。最初のコメントは、ハンドルネームから本人が確認できる数少ない人のひとりで、その後、投信会社を立ち上げた石津さんだった。

②ポール・クルーグマン教授(プリンストン大)が「ECBによる一段の緩和的政策を求めている」という記事があったが、さもありなん。オバマ政権誕生が確定した早い時期から、「異例の事態には異例の刺激策を」と大型財政政策を推奨した人物でもある。その経過はここまでのところ過剰流動のサポートで景気の底割れは回避されているが、逆にソブリン・リスクの上昇という副作用が表面化ということ。それが正しかったのか否かは、現段階での判断は時期尚早。この主張、EUの緊縮財政によるデフレ化は絶対に回避すべきという主張なんだろう。金市場にとって耳触りのいい主張ではある。

③金ETF(GLD)が12日にさらに17トン超増加。これで5月に入り8営業日で50トンの増加に。ここまでのピッチは、(後にジョン・ポールソンの買いが判明した)09年3月の増加以来の規模となっている。足元の市場で誰がメインの売り手なのか?まずIMF。2月に5.6トン、3月には18.5トンと予想以上のペースで売却を進めている。このIMFにつては、先月あるレポートに取り上げたのだが、それはまた改めて。さらに金製品の換金売りすなわち「スクラップ」もさすがに増加している模様。IMFの売却やスクラップの増加がなければ、バランスが取れない需給という表現もできよう。IMFが売っているからこそ、ここまで1100$台で買えたという表現もできよう。

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16 コメント

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現物の需給は、 (katsan)
2010-05-14 00:31:44
先生のご指摘のように、白金族のように需給がタイトでないのが金地金の現状のようです、コストをかければ、まだ産金できるという事情もあるのでしょうが、その辺が高値に対する懸念材料でもありますが、とにかく需給関係とは関係なく先物相場に引かれるように、高騰しておりますが、こんな状況はまだまだ続きそうですね。今はまだ一部投資家の方の金地金のようですが、もし多くの人たちが、面白半分にでも金貨でも買う状況になれば、供給はパンクしてとんでもない高値になるのでしょうか、今はまだ
大きな波が来る前なのでしょうか、悩めるこのごろです、金価格の高値を期待しながらも、現実の需給関係とは無関係に価格が踊る今の状況はやはり異常なのでしょうか。
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5周年おめでとうございます (fairlane)
2010-05-14 02:19:36
5年前の5月というと、国内金価格1400円~1500円をうろうろしていた頃ですよね。自分がその頃現物投資したのでよく覚えています。
また1200円台に戻るという意見が強かった記憶があります。。。

あの頃東京工業品取引所の金先物証拠金は6万で出来高15万枚くらい毎日あったはず。一日10円動いたら「今日は動いたなぁ」と驚くような静かな相場だったような。。。。


本当に5年前なのかと言うくらい金の環境はのどかでしたよね。

先生のブログよりいろいろと勉強させていただきありがとうございます。10年、15年と続きますように。。。その頃は金幾らなんでしょうね?
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金は一休み? (ワーテルロー)
2010-05-14 03:35:21
1 アメリカNY州がサブプライムの格付けについて大手8金融機関を調査で、アメリカのビッグバンク包囲網着々。

2 ソブリンリスクと過剰流動性の追い風で金価格の上昇トレンドは不変。

3 プラチナは日本での代替品開発が3年以内に目途がつきそうな状況?(ジオマテック)

4 亀井先生の阪神は日本ハムに連敗で残念でした。今日などはカリカリされているのでは?

今ライブでNHK総合のイチローの試合を観戦しています。イチローは今季第1号のホームランを含む2安打(試合中)
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Unknown (こがねむし)
2010-05-14 06:23:44
8年前はウィーン・メイプルリーフ金貨1ozがわずか4万円前後で買えたが、いまや3倍の12万円も出さないと買えない。
そのうち毎月1枚売って生活するような時代がくるのかな?
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デフレとインフレ (aya)
2010-05-14 07:29:55
EU,アメリカ、日本など先進国は概ねデフレ傾向。EUはギリシャ問題深化で緊縮財政に傾きGDPは伸びず金利引上げの出口は遠くなった。アメリカの連銀総裁はしきりとインフレ抑制からか「経済が好転すれば即利上げも有り得る」とアナウンスしている。EU,アメリカ、日本も当分の間は札束を世界にばら撒かざるを得ず確かに当然将来のインフレ期待は大きくなってくる。

一方で中国、ブラジルなど新興国はインフレに既に悩まされており金融引締めにかじをきってきた。ブラジル大統領は「アメリカが低金利を長期間維持していることで過剰流動性が新興国のインフレを助長している」と非難している。

ソブリンリスクはおさまる気配はないし問題はあっても先進国は過剰流動性を維持せざるを得ない状況だ。今日は金は利益確定売りで押したがこれは正常な動き。金が更なる高値を目指す環境には全く変化はないだろう。

ユーロは更に下落しそうな状況でまたEUが大荒れになりそうな気配だ。
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Unknown (kenji)
2010-05-14 07:41:17
 もう舞台は変わった。新しい役者と役が必要だが、金は何の役を与えられるのかなと思う。
これで、金を持つ人と持たない人の差は縮小することはない。
 もし金がさらに上昇すれば、社会変革がおきるだろう。すでにおき始めているだろう。
 これだけ資金を供給して、それは何処へ行くのか?
 商売柄白金とは縁があり、手を染めていたが、金については2200円位からで、当時、人にも勧めたが、買う人はいなかった。
 一人女で3300円くらいで買ったがその後下がり、2500円台でもう一度買うようにと強く勧めたが、少し買ったようである。どうにも最初損をしたということが気になったようである。
 しかしそれも通過したから、いいかなと思っている。
 いずれにしても地殻変動が起きる。
生き残れるかなと真剣に思っている。
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金は底堅い! (aya)
2010-05-14 14:26:48
下落すれば即買いが入る。
ユーロ不安が金を押し上げそうだ。
中東では金の自動販売機まで登場した。
押し目を買いたい人は世界中で多いが
さしたる押し目なくとももう我慢できまい。
現在1236ドル。
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>>こがねむしさん (fairlane)
2010-05-14 15:16:29
8年前というと1000円台ですか?その時代からとはすごいです!

1200円台地金ホルダーは割といますが、900円台や1000円台の人はあまり聞いたことがないです

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ユーロ大乱の予感 (ワーテルロー)
2010-05-14 18:54:58
ナポレオンはワーテルローの戦いで決定的な大敗北を喫し歴史の舞台から永遠に消えた。配下の将軍の勝利をまさに五里霧中の中最後まで確信していたがかなわなかった。

戦いの帰趨はロス・チャイルド一族によって即時にロンドンへ、全ヨーロッパへもたらされ現代に至るまでのユダヤ資本の強力な金融・情報・軍産複合体支配が確立された。

こうした構図は現在も余り変わらない。
ユーロの帰趨を支配しているのは今やユダヤにとどまらぬ無数の投機家の集合体である。
集合体を束ねるのはユダヤ・アングロの投機家集団が中核だが国家や国家を超えたEU,国際通貨ユーロの帰趨を握っているのが「投機家」だというのは何たる皮肉だろう!
今唯一人この構図にメスを入れようとしているのがオバマだが前途は多難と言うしかない。

金は1240ドル近辺で強い!

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Unknown (Toshi)
2010-05-14 22:42:19
5周年おめでとうございます。もうあれから5年がたったんですね。感慨無量です。それまでは住友金属鉱山のホームページで拝見していたのですが、ブログを開設されることになり、大変ありがたく思った記憶があります。ありがとうございました。これからもご活躍を期待しております。
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