亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

悪かったISM製造業 大統領はFRBが悪いと

2019年10月02日 21時04分23秒 | 金融市場の話題
報じられているように注目の月ISM製造業景況指数は悪かった。マーケットの反応からするとサプライズということだろうか。9月は中断していた米中通商協議の再開が決まるなどしたことで、市場予想は50.1と水面上への浮上を見込んでいた。結果は逆にさらに深みに沈む47.8ということになった。これで2カ月連続の50割れに。指数としては6カ月連続の低下なので、すでにトレンドは出ている。

内訳では輸出受注指数が2.3ポイント低下し41.0と非常に弱く、もともとISMのデータはマークイットと違い大企業のデータが多く、輸出入動向の影響を受けやすいとされるので、貿易摩擦の影響や海外の不振の影響が表れているということだろう。しかし、この結果に不満のトランプ大統領は、FRBが思い切った利下げをしないことで「ドルをすべての通貨に対しあまりに強くし、製造業は悪影響を被っている」とツィート。これからも経済指標が悪化し株が大きく下がるたびに、すべてFRBの政策の誤りということになりそうだ。

さてこうなると3日木曜日に発表される同じISMの非製造業景況指数がどうなるか。2016年8月以来の低水準となる7月の53.7から8月は56.4に上昇し、製造業と異なり堅調さを示しているのは、他の主要国と同じ。9月は55ポイント台を維持するとの予想が多い。果たしてどうなるか。こっちは予想を下回るとネガティブな反応となりそうだ。センチメントの悪化がやがて実体経済に波及か。

日本時間の今夜は、ADP全米雇用報告が発表される。民間部門に限られるが、4日に控える米労働省発表の9月の雇用統計の前哨戦の位置づけとなる。

話題は変わるが、日本時間の本日早朝また北朝鮮が日本海に弾道ミサイルを発射した。

北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射は「国連安全保障理事会決議に違反する」、「決議を主導した米国が(発射を)『気にしない』と言えば、他国はその決議に含まれている制裁も気にかけなくなる」。これは昨日報じられたボルトン前米大統領補佐官(安全保障担当)の9月30日にワシントンで行われた講演での発言。

10月1日の日経朝刊の記事をそのまま掲載すると・・・
「今のままでは彼(金正恩)が自らの意思で核放棄することは決してない」と述べ、非核化の進展に悲観的な見解を示した。北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射を容認するトランプ大統領も暗に批判し、トランプ氏との確執をうかがわせた。
 ・・・となっている。確執というより正論で、首脳外交でディールだの何だのと口先だけで実のないスタンドプレーを繰り返すばかりの大統領の存在は、米国の威信をどこまで落とすのかという感じだが、黙って見ているペンス副大統領はじめ共和党右派は何をやっているのかというのが率直な感想。

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