亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

アルゼンチン共和国大統領府による米判決に対する意見広告

2014年06月25日 23時58分27秒 | 金融市場の話題
今朝はコロンビア戦を見ながら開いた朝刊を見て、驚いた。アルゼンチン共和国 大統領府による15段の全面広告が目に飛び込んで来て、そのタイトルが「アルゼンチンは債務返済を継続したいが、継続させてもらえない」というものだったからだ。タイトルを見て、ここにも取り上げた、投資ファンドとの間での法定闘争が一応の決着を見た件についてのものだと直ぐに分かった。日本の一般紙(朝日新聞)に掲載という点に意外性があった。一読し、日経をチェックしたが載っていなかった。知る範囲では、朝日だけだったようだ。

かつての(2001年)デフォルトに際してヘアカット(債務減免)を飲まなかった投資ファンドが求めた全額返済の訴えに対し、先週の月曜日(16日)に米最高裁が下級審の判決を支持し同国政府に返済を命じたが、その内容の不当性を訴える意見広告だった。

米国の裁判所に提訴した米投資ファンドが転売で売りたたかれた同国債を購入した上で戦略的に訴訟に持ち込み、莫大な利益を上げる手法を非難し、それを認める判断を下した判事の名前(トーマス・グリーサ)まで掲げて訴えている。

広告原稿によると、あるファンド(NMLファンド)は、アルゼンチンを訴えて巨利を得る目的で2008年にわずか4870万ドルでデフォルトとなった国債を購入。そして今回希望に沿った判決を得て8億3200万ドルを手にするという。来週月曜日30日に支払期限もせまっている。しかし、今回の判決に該当するのは複数のファンドで総額15億ドルだが、支払うことにより訴訟にはなっていないが債務減免を拒否した他の債権者の持ち分が150億ドルあり、そちらにも影響が及ぶのは必至。ところが年始の新興国危機に際し為替介入(ペソの買い支え)で外貨準備が減ってしまい300億ドルしかない。

しかし、今回の問題は、判決の通りにことが進めば、今後はデフォルト案件の処理は相当難航するとみられ、悪しき前例を作ったということになりそうだ。まず国際金融のエキスパートがこの足元の問題をどう処理するか見もの。

それにしても一つの判決(一人の判事の司法判断)に一国の不沈がかかる・・・というのも、これも金融の肥大化(債務の肥大化?)がもたらした一側面ということになろう。



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1 コメント

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Unknown (fairlane)
2014-06-26 17:10:18
帝国主義なら、借金を払えないのなら国土の一部を租借する とか関税自主権の一部を奪う とかしましたが、さて。。。
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