亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米国の政治ショーより、まずはECB理事会

2018年03月08日 20時27分49秒 | 金市場
昨日「輸入関税を巡るトランプ大統領の決定内容がどのようなものになるかで、金市場の反応も温度差がありそうだ」とここに書いたが、早ければ本日、関税賦課の大統領布告にサインするとされる(9日との話も)。

7日のNY株は、午前中こそNY時間外の先物の下げを引き継ぐ形で売られたが後半は持ち直し、“影響も限定的”という地合いに転じることに。それはホワイトハウスが「メキシコやカナダを除外する可能性がある。他の国も同様」(サンダース報道官)として、軟化の可能性を示唆したことによる。

3月2日のここに米国の輸入鉄鋼製品国別シェアで中国が全体の3%という野村の資料を引用したが、その後調べてみると2.1%で11位だった。

1位カナダ16.5%、2位ブラジル13.5%と続きメキシコは9.2%で韓国(9.9%)に次ぐ4位となっていた。ちなみに日本は5.0%の7位でトルコより下(2017年、米商務省)。

結局、今回の話は、政権発足当初に貿易赤字を巡って盛んに脅しをかけていた、いわゆるブラフというか中間選挙向けのある種の“政治ショー”のような側面があるのではとも思っていた。それがゲーリー・コーン辞任となったので、ウィルバー・ロスやピーター・ナバロの強硬路線に本気で乗るのか・・・・と、思い始めたところで、昨夜の軟化発言。

早ければ本日、少なくとも週末までには発表されるとされるが、大統領自身の方針自体が流動的で最後まで不明ということも過去何度もあったので、結果を見るほかなし。

それより今夜のECB理事会の方が、ユーロを通して金価格に影響を与えそうだ。声明文の文言の中で、「必要であれば資産買入れ額を増額する準備がある」としている部分が削除されるか否かをはじめ、政策の先行きを示唆する表現(フォワードガイダンス)に変更があるかが注目点。金市場は、どちらかというと今は警戒モード。




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