亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

中国、余った金はどこへ

2014年04月22日 23時56分03秒 | 金市場
本日は夕刻から月刊誌の連載原稿を書くデータ収集を兼ねて先週発表されたWGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)の「中国の金市場」と題するレポートの一部を読んだ。以前から個人的に類推していた事柄などにも触れられていて、これは中国に関する初めてのまとまったレポートだと(表現は変だが)うれしくなってしまった。要は自分自身の中でモヤモヤしていた疑問も氷塊したわけですよ。内容の一部は国内でも報道されたが、それ以外の部分に重要性のあるレポートと思う。

今週は、ロイターだったか中国当局が深セン、上海に次いで北京経由でも金地金の輸入を許可したというものがあった。金の輸出入に関して中国は一切データの公表を行っていない。ただし香港は公表しており、今は香港から中国本土への輸出を中国の輸入データとして扱っている。逆は輸出となる。しかし、言うまでもないが中国の輸入は必ず香港を経由するわけではなく、例えば直接上海に入るものもあるわけで、その部分はデータから抜け落ちる。逆もあろう。WGCもデータは“不完全” とした。しかし、傾向を読むことはできる。

それでも2013年は、香港からの輸入が前年の830トンから1490トンにも膨れ上がり、輸出を差し引いたネットでも1160トンにもなった(330トンが香港に戻っている)。中国の生産は430ドン程度なので、1065トンとインドを抜いて初めてトップに立った需要を大きく上回る。この余剰部分の行先として疑われるのが中国人民銀行の買いと金を使ったファイナンス(資金調達)で、最近ではこのファイナンスの部分が銅を使ったものの中に焦げ付きが発生し現物が売られるのではと市場の波乱要因となった経緯がある。さて、金はどの程度ファイナンスに用いられており、銅と同じような波乱要因になるのか・・という疑問がある。金は銅と異なり、市場の波乱要因にはなり難いと見る。

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3 コメント

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Unknown (ささやか)
2014-04-23 07:10:10
昔は中東・次にインド・今中国…金が買われる国はちょっと政治経済に不安定な所・時、って感じがします。ただ、金はおカネがないと買えない…しかもカネ余りじゃないと。
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Unknown (fairlane)
2014-04-23 22:00:05
中国人民銀行の買いということは、外貨準備高に算入されますよね。。。 いろいろと思惑がありそうで
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ささやかさん (亀井)
2014-04-23 22:23:03
インド・中国の前の80年代に日本が買いましたよ。その後、バブルに突入しました。

ある面で示唆的ですよね。
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