亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

中央銀行の買いが目立つ「金」 

2021年07月06日 23時13分55秒 | 金市場

NY市場の独立記念日の連休中の明け6日の金市場。NY金は時間外のアジア時間から買いが先行し、日本時間の昼前には1800ドルに突っかける展開となった。100日移動平均線を突破したことで、午後一には多少の抵抗はあったものの心理的節目の1800ドルを突破し、上値追いはともかく、値動きは軽くなった印象ではある。

実際に本日のNYコメックスの通常取引開始直後に1815.70ドルの約2週間ぶりの高値水準まで見ている。ここまで強含んでいたドル指数(DXY)はNY時間外に一時弱含んだが、日本時間の22時半時点で92.45ポイントと、引き続き堅調に推移している。一方、米長期金利つまり10年債利回りは、この時間1.4%割れに至っている。まもなくISM非製造業景況指数の発表を控えるが、債券市場も先読み的な動きでもあるまいに、数値の低下を読んでのものか。。。

本日ここまでのNY金の動きは、ショートカバーによる上昇と思われる。

米商品先物取引委員会(CFTC)が週末に発表するデータでは、ここにきてファンドのショートの増加が確認されていた。このあたりは、1800ドル割れでモメンタム系の売り攻勢がかかったと先週ここに書いたが、足元で思惑外れの買戻し(ショートカバー)が入っていると思われる。

本日のNY金の堅調展開だが、先月国際的な金の広報調査機関ワールド・ゴールド・カウンシルが各国中銀に対して行った準備資産としての金の扱いと今後の方針を聞くという調査結果を手掛かりにしたものという指摘がある。来年にかけて5行に1行が買い増し意向を示したとBloombergが報じ材料になった・・・・ということだが、実際に5月に新興国中銀は56.7トンの買い越しとなっている。この内の82%に当たる56.7トンがタイ中銀の買い。タイは4月に43.5トン買い増しており2カ月連続で大量買いしたことになる。5月の買い付けは相応の価格水準になったと思われる。機械的な買いは中央銀行ならでは、ということか。

 

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