さて声明文の発表まで5時間となった。金市場はやや買い優勢の展開となっているのは、利上げ確定でのいわゆる“材料出尽くし”を読んでのことだろう。ただし、過去の例で多いのは、翌営業日に動きがはっきりするということ。翌日以降の方が方向感は出やすいことが多い。
昨夜も書いたが、参加する記者の質問内容がいつも以上に広がることが予想されることから、イエレン議長の記者会見の内容が注目される。また、その内容に対し、Trump Tweetがあるのか否か。一般的にはない・・・はずだが、あれば、その内容は?市場の反応は?と波紋を広げそうだ。いずれにしてもトランプ政権は、えええ!?、なぬ~!という事例が頻発するのではないか。
ところで、難航していた重要ポストである国務長官に米石油メジャーエクソン・モービルのティラーソンCEOの起用が決まった話。報道されているように、プーチン大統領と親交が深く、クリミア侵攻に関連する経済制裁に際し反対したことなどもあり、議会共和党主流派では反対意見が多いとされる。
この人事は上院外交委員会での承認が必要だが、承認する上院外交委員会は共和党10議員、民主党9議員で構成されている。米国はいわゆる党議拘束はなく、議員個人の主張が尊重される傾向が強いことから、共和党議員の中で反対票は十分あるので拒否される可能性は少なくなかろう。したがって今後、議会との折衝が繰り広げられることになる。否認されるとなると、他の法案もどうかとの疑義が出てくる。
FOMCにしても、イエレン議長にしても、出口戦略のややこしいタイミングで、外回りもややこしくなったものだ。もっとも、財政出動に力を入れる新政権の方針は、FRBにとっても渡りに船という感じだろうが。