亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

欧米年金基金による農地の取得

2007年09月16日 20時04分36秒 | トピック
昨日9月15日付けの日経「国際面2」に掲載されていた「米、農地価格が上昇」という記事。足元の、あるいは目先の市場を見るにはその左側に掲載されている「米小売売上高0.3%増」という記事に関心を向けることになるが、先行きを見ようとするとこの農地の上昇の記事はスクラップするに値するのではと思う。特に「年金基金が参入」という小見出しにピピッ!(?)と反応、「なるほど、そう来るかぁ~」と。カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)などは以前からワイナリーを経営したり、ティンバーファンド(森林ファンド)に投資したりしているので意外感はないが、おもしろい視点だと思う。確かに中長期的に国際的な穀物需要の高まりが予想されるが、価格の上昇が見られるならば農地価格あるいは賃料(リース料)の上昇も期待できる。保有農地を貸さないで生産を委託するという手も考えられる。そうなると農業部門自体が投資対象ということになり、投資の領域はどんどん広がる。金市場にからめて書くなら、90年代末、国際価格が20年ぶりの安値を記録した時期に当然ながら金鉱株の価格も安値に沈んでいた。そこで埋蔵量の豊富な優良金鉱山の株式の取得は、その時点での生産量(≒業績)ではなく将来の生産をも同時に支配するという観点からM&Aの対象となった。地上の金ではなく、地下に眠る金を買うという発想だった。そして2000年以降、金価格が上昇するにつれ金鉱山によるヘッジ売りの存在が株主の非難の的になるという経過をたどった。

11日の朝、成田に向かい、本日夕刻、羽田から戻ってきた。さすがに少し疲れた。虎はまた打てなくなったのか、相手のピッチャーがいいのか?

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1 コメント

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Unknown (ahi)
2007-09-16 21:23:41
インフレバイアスは始まったばかり
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