今週予定されていた米国関係のマクロデータでは、3月の貿易収支、4月の財政収支と小売売上高が当方の関心事だった。それに15日金曜日に発表されるCPI(消費者物価指数)がある。貿易収支を含め年始1、2月と回復傾向を見せたことから市場には底打ちあるいは悪化原則への期待感が急速に高まり実際にオバマ政権も回復の方向を示唆する発言を繰り返した。ところが4月発表の3月のデータは、一転してまた数値は悪化傾向を示していた。その延長線上のデータが今週発表されているわけだ。
昨夜はまだ東京を離れており更新を見送ったが、発表された4月の小売売上高は前月比変わらずの予想に対しマイナス0.4%となった。自動車およびその関連を除いた数値もマイナス0.5%となっていたので、幅広い品目で消費者の買い控えが起きていることをうかがわせた。マイナス1.1%からマイナス1.3%に下方修正された3月に続いてのマイナスは株式市場の売り材料となった。確か先月、3月のデータが悪かった際の大方のコメントは、「今年はイースターが4月にずれ込んだため」売り上げが落ちたというものではなかったかな?イースターの休日を含む4月のデータのマイナス継続で警戒モード復活だろう。
今月発表分で数字が改善されていた雇用統計の雇用の減少にしても政府部門が雇用を急激に増やしたことが背景にあり、失業率自体は8.9%に上がっていた。意味するところはやはり個人部門の苦境が続くということだろう。ここから導かれるのは、これから不況型の不良債権がますます膨らむということではないか。
ストレステストの結果で落ち着いた市場環境の内に、取り急ぎ増資をして資本の増強を図ろうとしている金融機関が多いのは、政府財務省とFRBの方針が滲んだもの。次に来る貸倒引当金の増加に対応すべく、厚みを増しておく必要があるからだ。それにしても1-3月期の金融決算の好調さは、ほとぼりが冷めたいま改めて見直しても、いかに債券ディーリング益の寄与度が高かったかということを感じてしまう。FRBはアナウンスメント効果その他を駆使して銀行に利益を上げさせたということ。ここまでの展開は、それももう4-6月期にはメッキが剥がれそうということなのだが。バランスシート型景気後退は、簡単ではないのだ。
物価統計がさて、どうなるか。
昨夜はまだ東京を離れており更新を見送ったが、発表された4月の小売売上高は前月比変わらずの予想に対しマイナス0.4%となった。自動車およびその関連を除いた数値もマイナス0.5%となっていたので、幅広い品目で消費者の買い控えが起きていることをうかがわせた。マイナス1.1%からマイナス1.3%に下方修正された3月に続いてのマイナスは株式市場の売り材料となった。確か先月、3月のデータが悪かった際の大方のコメントは、「今年はイースターが4月にずれ込んだため」売り上げが落ちたというものではなかったかな?イースターの休日を含む4月のデータのマイナス継続で警戒モード復活だろう。
今月発表分で数字が改善されていた雇用統計の雇用の減少にしても政府部門が雇用を急激に増やしたことが背景にあり、失業率自体は8.9%に上がっていた。意味するところはやはり個人部門の苦境が続くということだろう。ここから導かれるのは、これから不況型の不良債権がますます膨らむということではないか。
ストレステストの結果で落ち着いた市場環境の内に、取り急ぎ増資をして資本の増強を図ろうとしている金融機関が多いのは、政府財務省とFRBの方針が滲んだもの。次に来る貸倒引当金の増加に対応すべく、厚みを増しておく必要があるからだ。それにしても1-3月期の金融決算の好調さは、ほとぼりが冷めたいま改めて見直しても、いかに債券ディーリング益の寄与度が高かったかということを感じてしまう。FRBはアナウンスメント効果その他を駆使して銀行に利益を上げさせたということ。ここまでの展開は、それももう4-6月期にはメッキが剥がれそうということなのだが。バランスシート型景気後退は、簡単ではないのだ。
物価統計がさて、どうなるか。