亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金、米利下げ観測の修正でも底堅さ 

2024年10月08日 19時35分38秒 | 金市場

NY金は総じて売り先行の流れとなっている。

先週末4日に発表された9月の米雇用統計が予想比上振れしたことを受け、米連邦準備理事会(FRB)による利下げサイクルの先行き見通しに対し、市場は修正を迫られている。まず11月6~7日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測は消えることになった。0.25%利下げ見通しが大勢だが、一部にこれから発表されるデータによっては、利下げ見送り(金利水準据え置き)の可能性を指摘する声も出始めている。

今年の夏前までFRB利下げ観測の満ち引き(期待が高まりそして低下)が繰り返されてきたが、引き潮の時間帯に入ったというところだ。

 

こうした中で、7日のNY市場では米国債は広い年限で売られ続落し利回りは上昇した。金市場に影響が大きい10年債利回りは、一時4.036%を付け7月31日以来の高水準となる4.033%で終了した。FRBの政策方針の変化に敏感な2年債利回りも一時は8月19日来となる4.033%まで付け4.004%と4%超の水準で終了した。一時は10年債との利回り逆転現象もみられた。

一方、ドル高の動きは一服したものの、ドル指数(DXY)は8月半ば以来7週間ぶりの高値水準となる102ポイント台半ばで滞留した。

この中でNY金は、売り優勢の地合いながら前週末比プラス圏となる2670ドル台で推移した。NY午前に付けた2679.20ドルがこの日の高値となった。ただし、その後は売り優勢に転じ終盤にかけては2660ドル台の狭いレンジで推移し、そのまま終了した。7日の通常取引は、前週末比1.80ドル安の2666.00ドルで終了。中東情勢を巡る地政学リスクを背景に相対的にみて安全資産とされる金(ゴールド)への資金流入が下支え要因となっている。

しかし、それでもドル指数(DXY)と米長期金利の高止まりが本日8日のアジアからロンドン時間も継続しており、NY金は一時2650ドル割れまで見ている。これでも、年前半の利下げ観測後退期には短期的に100ドル近い押し目を作っていたので、現状は底堅いと言える。

 

中東情勢については、7日もイスラエルはレバノン南部で親イラン武装勢力ヒズボラの110の標的を空爆したと発表。対してヒズボラ側もイスラエル北部に135発のミサイルを発射したと発表。市場は、イスラエルがイランの収入源に打撃を与えるために同国の石油関連施設を攻撃することを懸念している。その場合、イラン側も対抗措置を講じる過程で石油輸出の要衝であるホルムズ海峡を封鎖する事態も想定されることから、予断を許さぬ状況が続いている。

その可能性があるだけにゴールドは売り難い。

 

なお、昨日触れた毎月7日に発表される中国人民銀行の外貨準備の増減では、9月も金準備の増減は見られなかった。

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