株式市場を見る分には今週に入りいわゆるリスク・オン(リスク選好)の展開が見られている。4月のFOMC(連邦公開市場委員会)の議事録が発表されたのが先週5月18日。その少し前から米地区連銀の数名の総裁が、個別に追加利上げに対し積極発言を行い、それまでは利上げには“慎重にあたる”というのがコンセンサスで、これから年末までの間に1回程度しか利上げしないのではないかとの観測が広がっていた。
ここにきてにわかに追加利上げに関して議論が巻き起こっているのは、市場の見通しとFRBの意向の間に大きなかい離が生まれており、それを埋めようとのFRBサイドの思惑があるという見方がある。真偽のほどは不明だが、手のひらを返したような利上げスタンスの変化は、やはり恣意的な何かを感じさせるのは事実である。
今年は11月に米大統領選を控え、秋口には利上げはやり難いとの見方があり、これは以前から大統領選挙年に共通して指摘されてきたこと。したがって利上げは12月がやりやすいが、その前であれば6月ないしは7月というのが、妥当なタイミングとして浮上する。経済指標次第を標榜している利上げのタイミングは、それ以外にも政治的な要因も影を落としているわけだ。もっとも、大統領選自体が共和党候補者選びの段階を経てドナルド・トランプが候補者となる見込みにつき、予備選が始まる前とは様相を変えており、大統領選挙自体がリスク化することになった。
関連する話題では、5月25日に中国人民銀行が発表した人民元の対ドル相場の基準値は2011年以来の安値だったことがある。年始に切り下げの動きがあり、株式市場などの悪材料となったが、ここに来て落ち着いていた。それがにわかに騒がしくなっているのは、利上げを急ごうとするFRBに対して、中国サイドが意図的に人民元相場を下げて、牽制しているのではとの記事を米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が取り上げていた。利上げを急ぐと、市場の混乱を招く可能性を示し、遅らせようとしているというわけだ。
ただし、この話は、FRBの方針変更にしたがい利上げ観測が一気に高まったことで、先行きのドル金利の上昇を警戒し返済を急ごうとする中国の国有企業の姿が、人民元の売り圧力を高めたとの見立てができよう。ニワトリが先か、卵が先かという話に似るが、後者が正しいということになれば、すでに足元の中国ではまた資本流出の動きが高まっているということになる。
ここにきてにわかに追加利上げに関して議論が巻き起こっているのは、市場の見通しとFRBの意向の間に大きなかい離が生まれており、それを埋めようとのFRBサイドの思惑があるという見方がある。真偽のほどは不明だが、手のひらを返したような利上げスタンスの変化は、やはり恣意的な何かを感じさせるのは事実である。
今年は11月に米大統領選を控え、秋口には利上げはやり難いとの見方があり、これは以前から大統領選挙年に共通して指摘されてきたこと。したがって利上げは12月がやりやすいが、その前であれば6月ないしは7月というのが、妥当なタイミングとして浮上する。経済指標次第を標榜している利上げのタイミングは、それ以外にも政治的な要因も影を落としているわけだ。もっとも、大統領選自体が共和党候補者選びの段階を経てドナルド・トランプが候補者となる見込みにつき、予備選が始まる前とは様相を変えており、大統領選挙自体がリスク化することになった。
関連する話題では、5月25日に中国人民銀行が発表した人民元の対ドル相場の基準値は2011年以来の安値だったことがある。年始に切り下げの動きがあり、株式市場などの悪材料となったが、ここに来て落ち着いていた。それがにわかに騒がしくなっているのは、利上げを急ごうとするFRBに対して、中国サイドが意図的に人民元相場を下げて、牽制しているのではとの記事を米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が取り上げていた。利上げを急ぐと、市場の混乱を招く可能性を示し、遅らせようとしているというわけだ。
ただし、この話は、FRBの方針変更にしたがい利上げ観測が一気に高まったことで、先行きのドル金利の上昇を警戒し返済を急ごうとする中国の国有企業の姿が、人民元の売り圧力を高めたとの見立てができよう。ニワトリが先か、卵が先かという話に似るが、後者が正しいということになれば、すでに足元の中国ではまた資本流出の動きが高まっているということになる。