3月14日のここで、「上げられるうちに追加利上げするなら、それは「今でしょ!」と題して、「今回の利上げは、利上げ回数の上方修正よりも、予定より前倒しで行うという側面が強いのではと思われる。」としたが、果たしてそのような結果となった。
FOMCが接近するにつれて前のめりに利上げ加速のみならず、バランスシート調整の内容も示唆するとの見方まで浮上していた市場の反動(ポジション巻き戻し)は、相応に大きなものとなった。
FRB執行部は、トランプ政権の政策実現度など今後の推移も見極めようと現状を冷静に分析、この点は楽観論が先行する株式市場とはスタンスが異なるのは、当然といえば当然だが。もっとも、当面緩やかな利上げで市場を害するような引き締めはしないということで、株式市場にも企業にも、いわゆるGoldilocks(居心地のいい)環境が当面続くということになる。ただし、これは金融面でのこと。問題は、トランプ政権自体をも含む政治的リスクにある。
FOMCというイベントを超えて、ここからは政治リスクに市場の目が向くことになりそうだ。手始めに、今週末のドイツで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議。声明文で保護主義への牽制の文言がどう盛り込まれるのか否か。水面下での現場レベルの事前折衝が先鋭化しているようだ。
本日は、日銀の金融政策決定会合。黒田総裁の記者会見があるが、出席する記者の方には是非、“日銀の出口戦略”についての突っ込んだ質問をしてほしい。ここまで「時期尚早!」と片付けて来ているのだが、さすがに任期もあと1年になっているし、そろそろ・・・言わないと手遅れでしょ。
以下は、本日午前に配信されたロイターの記事です。9人目に取り上げられております。ご参考までに。
http://jp.reuters.com/article/instant-view-fomc-idJPKBN16M2X6