亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

着々と国債の買い付けは続く

2011年01月31日 23時58分52秒 | 金融市場の話題

成長はしている、しかし望ましい力強さはない。以前からそう言われ、先週のFOMCの声明文でも同様の見方が示されたのが、足元の米景気に対する評価となっている。そしてダボス(世界経済フォーラム)でもガイトナー財務長官が、景気の拡大ペースについて「失業率の低下や財政赤字の削減には依然として弱過ぎる」とした。こちらは先週末に発表された10-12月期GDP成長率(年率)3.2%についてのコメント。

 

米議会予算局が財政赤字の予想値を公表していたが、それによると2011年度は1兆4800億ドル(約121兆円)と2009年度の1兆4127億ドルを抜いて過去最大となる見込みしていた。これに対しガイトナー財務長官は、これほどの赤字は「持続不可能」としたが一方で「財政赤字の性急過ぎる削減で景気回復を脅かすことは誤った政策だ」とした(・・・・どっちやねん)。持続不能な赤字の規模であっても、足元では緊急避難として状況に目をつむっても刺激策を継続するべき・・・という方針を示したもの。ただし共和党保守系のなかで力を増したTea Party(茶会)がさらに拡大傾向を示すとするなら、政府の政策手段も限られたものとなりそうだ。結局、金融政策がその補完を期待されることになりそうだ。米国財務省もここまで四半期ごとにファニーメイ、フレディマックの住宅金融2社に対し資金支援をしてきた。しかもこの先も止められないと見られる。さらに連邦政府のみならず州政府の財政逼迫状態も深刻度を増しているだけに赤字削減か財政出動の継続か・・・となると削減もできないが拡大も難しいという中で期待されるFRB。“何もしないでさらされるリスク”よりも“何かをやった上でリスクにさらされる”方を選ぶのがバーナンキ流 と見る。着々と国債の買い付けは続く。

 

この週末京都、金沢と回ったが、金沢ではモロに記録的な雪に遭遇。雪が降りしきる中で雷鳴が轟くなど典型的な日本海側の冬の気候だった。電車は遅れ、そして全面運休に。しかし小松空港はさすがに航空自衛隊併設の空港だけに除雪能力は高く、風と視界さえクリアできれば運航に問題なし。陸上交通が寸断されるなかで、一部に欠航や大幅な遅れがあったものの昨日も今日もJAL機が羽田、小松間で飛んだのには正直驚いた。確かにこの空港は緊急時に雪で自衛隊機は飛べません・・・・があっては困るわけで・・・。


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