昨日11月1日にワールド・ゴールド・カウンシル(本部ロンドン)が金需給の四半期レポート(Gold Demand Trends)7-9月期版を発表した。
「アメリカ独り勝ち」のドル高の中で、NY金は8月16日に一時1167.10ドルまで売られたが(引けは1184.00ドル)、7月から9月の価格低迷期に中国やインド、その他アジア諸国の現物買いが活発化していたことがデータで示された。ここでも中国需要は減っていないと思うとしてきたが、データで裏付けられた。投資需要は、北米を中心とした金ETFの売りをアジアを中心とした現物買いがカバーした形だが、それでも全体では前年比21%の減少となった。新興国中銀の金購入は引き続き堅調で22%増の148.4トンとなった。10月以降もハンガリー中銀の買いが明らかになるなど、ここにきて“新顔”が登場している。
いずれにしても、米国貿易戦争激化は中国の金需要にマイナスの影響を与えるとの指摘が見られていたが、データはそれが的外れであったことを表している。
7-9月期のセクター別 需要 単位トン (前年同期比の増加率)
Jewellery Tonnes
Q3'17 Q3'18 Year-on-year change
World total 505.8 535.7 ▲6%
India 134.8 148.8 ▲10%
China 158.5 174.2 ▲10%
Investment Tonnes
Q3'17 Q3'18 Year-on-year change
Investment全体 246.2 194.9 ▼-21%
Bar & Coin 233.0 298.1 ▲28%
India 31.0 34.4 ▲11%
China 69.3 86.5 ▲25%
Gold-backed ETFs 13.2 -103.2 - -
Central banks and other inst.Tonnes
Q3'17 Q3'18 Year-on-year change
Central banks and other institutions 121.8 148.4 ▲22