亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

通貨安通商摩擦激化の中で増えていた中国などアジア金需要

2018年11月02日 22時07分31秒 | 金市場

昨日11月1日にワールド・ゴールド・カウンシル(本部ロンドン)が金需給の四半期レポート(Gold Demand Trends)7-9月期版を発表した。

「アメリカ独り勝ち」のドル高の中で、NY金は8月16日に一時1167.10ドルまで売られたが(引けは1184.00ドル)、7月から9月の価格低迷期に中国やインド、その他アジア諸国の現物買いが活発化していたことがデータで示された。ここでも中国需要は減っていないと思うとしてきたが、データで裏付けられた。投資需要は、北米を中心とした金ETFの売りをアジアを中心とした現物買いがカバーした形だが、それでも全体では前年比21%の減少となった。新興国中銀の金購入は引き続き堅調で22%増の148.4トンとなった。10月以降もハンガリー中銀の買いが明らかになるなど、ここにきて“新顔”が登場している。

いずれにしても、米国貿易戦争激化は中国の金需要にマイナスの影響を与えるとの指摘が見られていたが、データはそれが的外れであったことを表している。 


7-9月期のセクター別 需要  単位トン (前年同期比の増加率)
Jewellery Tonnes
      Q3'17    Q3'18 Year-on-year change
World total 505.8   535.7 ▲6%
India      134.8   148.8 ▲10%
China      158.5   174.2 ▲10%

Investment Tonnes
      Q3'17     Q3'18 Year-on-year change
Investment全体 246.2   194.9 ▼-21%

Bar & Coin 233.0   298.1 ▲28%
India       31.0   34.4  ▲11%
China       69.3   86.5  ▲25%
Gold-backed ETFs  13.2   -103.2  - -



Central banks and other inst.Tonnes

                     Q3'17    Q3'18 Year-on-year change
Central banks and other institutions 121.8   148.4 ▲22


    


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