このブログを始めるきっかけになったのが、彼女の「隠れ家」です。詳しくはホームページを念入りに見てみて下さい。すぐに検索できるはずです。
森永さんは、アングラ演劇の「月蝕歌劇団」の中心メンバーの一人で、役者であり、振付師でもある。この劇団は、「暗黒の宝塚」と呼ばれる通り、女優が男役や少年役を演じる。J・A・シーザーの音楽による歌や踊りがアクセントになっていて、どの芝居でも必ず戦いの場面があり、血糊が飛んで、人が死ぬ。戦いというのは、未成熟な若者と、既成の権力や価値との戦いだ。彼女はそんな劇団のシンボル的存在。身長150センチに満たない、年齢、性別不詳の、人形のように端正な容姿。それでいて、時には血糊にまみれて、暗黒舞踏のような激しい動きを見せる。それに、何といっても声。硬質な、美しさ、鋭さ、冷たさを備えた刃のような彼女の声は、特に少年役でその特徴が発揮される。一度、「ポーの一族」のエドガー役を観てみたいものだ。
森永さんは、ある有名事務所に所属している声優でもある。アニメ、ゲーム、ラジオのパーソナリティとさまざまな活動を展開している。
森永さんは、バンドのボーカリストでもある。作詞も担当していて、月蝕での活動の延長線上にあると思われる、ドロドロした世界観がステージでは窺える。
森永さんは、モデルとして雑誌に載ったことがある。寺山修司についての驚くべき知識がある。80年代の日本のロックのマニアである。キャラクター・グッズの蒐集家である。・・・・・・いくら谷川俊太郎のマネをしても、彼女の実体に追いつくことはできないだろう。彼女はいつでも、一歩先にいるのだから。
これから先、森永さんは、劇作家になるかもしれない。演出家になるかもしれない。ゲームをつくるかもしれない。それとも・・・。寺山修司が今も生きていて、ネットや、ゲームや、コスプレを知ったら、何をやるだろう。そんな問いに対する答えが、彼女から出てくるかもしれない。