脳ゲーム(NO GAME)

2005-03-22 20:20:50 | Weblog
 「ゲームが少年犯罪を起こす」、と世論が騒いでいる。ゲームの内容規制へと、政府が動き始める。

 困り果てたあるクリエーターが思いついた。
 「ならば、『ゲームの影響で殺人を犯した現実の少女を主人公にしたゲーム』をつくってみてはどうか?」
 
 2枚の鏡の間には何も映らないというトリック。
 「ゲームが少年犯罪を」ではなく、「少年犯罪がゲームを」規定する。
 もう世論は怖くない。

 彼は同級生を刺し殺した女子中学生の取材を始める。すると、彼女がプレイしていたゲームの中に、見たことのないタイトルを発見した。
 「脳ゲーム」。
 やってみるとそれは、
 「悪魔的なゲーム・クリエーターに洗脳された少女が殺人を繰り返し、それがゲームの素材にされる」
という内容だった。

 クリエーターは思い悩む。ゲームの製作を打ち切るべきか。それとも、入れ子細工のように「脳ゲーム」を組み込んで自分のゲームを完成させるべきか。

 ・・・・・・・これは、あなた自身のゲームです。どちらを選択しますか?
コメント
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