バッハオーフェンの「母権論」 2

2013-12-15 18:34:12 | 

 バッハオーフェンによれば、人間の歴史はだいたい次のように分けられる。

 まず、アフロディーテの時代。これは、男性がヤリたい女性と力ずくでヤリまくった時代。

 次が、アマゾンの時代。女性が男性の暴力に対して武器を取って立ち上がり、支配権を確立した時代。バッハオーフェンは、ギリシア神話に出てくるアマゾン族は実在した、と考えている。

 その次が、デメテルの時代。暴力ではなく、子供を産み育てる女性の普遍的な愛を基盤とする時代。この時代が特に重要視され、「母権論」というタイトルになっている。

 そして、ディオニュッソスの時代。男性が、暴力ではなく性的な魅力によって支配権を取り戻した時代。

 最後が、アポロンの時代。セックスや出産といった人間の肉体的な要素を超えて、純粋な精神の高みを目指す時代。

 さて、現代は何時代なのだろうか。アポロンの時代でないことだけは確かだ。経済成長が求められ、さまざまな指標が大きく報じられる。それらは抽象的な数字だが、決して「精神の高み」を表すものではない。物体が数字に置き換わっただけのものだ。

 だからバッハオーフェンの主張は、それほど大昔のもの、でもない。
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