院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

北朝鮮報道終わる

2013-05-02 03:10:21 | マスコミ
 昨日の5月1日から北朝鮮の激しい発言に関する報道が、ピタッとなくなったとは思われないだろうか?

 それは北朝鮮が激しい発言をやめたからで、なぜやめたかというと、米韓合同演習が4月30日で終わったからである。

 わがマスコミは、米韓の合同海上演習が終わっても、地上演習が続いていることをほとんど報道しなかった。だから、視聴者には北朝鮮が勝手に騒いでいるように見えたのだ。

 マスコミはそれを「挑発」と呼んで、北朝鮮がどうしようもない極悪国家のように見せた。

 北朝鮮としては米韓合同演習こそ「挑発」と位置付け、激しく抗議せざるをえなかった。でも、それは口だけで、平壌は平静だったし、世界マラソンも行われた。とても戦争に備えている国の振る舞いではなかった。

 つまり、米韓合同演習と北朝鮮の強い挑発的言動は、言わば出来レースだったのだ。

 にもかかわらず、マスコミに登場した評論家たちは「北朝鮮のミサイルがいつ発射されてもおかしくない。戦争になるかは予断を許さない」なぞと発言していた。彼らは、これが出来レースであることが本当に分からなかったのだろうか?分かっていながら、マスコミの世論操作に加担したのだろうか?

 私は4月11日のこの欄で、「地上訓練が終わったら、北朝鮮は挑発的な言動をやめるだろう」と書いた。これは自慢できるようなことではなく、注意深く報道を見ていれば必然的に分かってしまうことである。

 今回の騒動で明らかになったのは、わがマスコミは米韓の味方だということである。というか、反北朝鮮だということである。

 今回は反北朝鮮でまとまったマスコミだが、反中国、親中国、反韓国、親韓国ではどう転ぶか分からない。

 1983年、フィリピンのマニラ空港でベニグノ・アキノ氏が暗殺されたとき、わがマスコミは現政権のマルコス側に付くべきか、反政権のアキノ側に付くべきか迷っていた。数日間、どちらが正義なのかわからないような不格好に狼狽した報道が続いた。

 この事件から明らかになったのは、マスコミは勝ち馬に乗るということだった。