院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

喫茶店とカフェ

2013-05-25 04:24:51 | 生活
 喫茶店のことをカフェと呼ぶようになった。しかし、両者は同じものではない。

 飲食店の中で喫茶店が占める割合が、一番多いのは名古屋だそうだ。長年、名古屋に住んだが、確かに東京よりも名古屋のほうに喫茶店が多い印象がある。

 喫茶店が大都市に多いのは、喫茶店が応接間代わりに使用されるからだ。喫茶店で商談や交渉事が行われることも多かった。勉強をしている学生もいた。つまり、コーヒーの値段は場所代だったのである。コーヒー一杯で、いつまでもねばっても追い出されることはなかった。

 ところがカフェは違う。カフェはあくまでもコーヒーを飲むところで、応接間代わりには使えない。椅子も深く腰掛けられるものではなく、ちょこん乗るだけの椅子が多い。人の出入りが激しく回転が速くて、おちついて勉強なぞできないようになっている。

 市民の住宅事情がよくなって、応接間代わりの喫茶店を必要としなくなったのだろうか?喫茶店がもっとも流行した昭和40年代よりは、住宅事情はよくなっただろう。だが、現在ではマンションが多くなり、その割に応接間がついたマンションというのはきわめて少ない。

 みんな商談や交渉事をどこでやるようになったのだろうか?私の場合、不動産の取引は不動産屋の事務所で行った。街の小さな不動産屋がなくなって、チェーンの大きな不動産屋に置き換わった。チェーンの不動産屋は事務所に応接室をもっていた。

 喫茶店で商談を行うような小規模な事業者が激減して、みなチェーン店に置き換わった。そのため、喫茶店も淘汰されて、カフェが繁盛するようになったのではあるまいか?

 現在でも名古屋は喫茶店が多いのだろうか?名古屋を離れて20年になるので、詳しいことは分からない。