院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

台湾小紀行(物価篇)

2013-05-07 05:49:56 | 文化
 台湾の物価は安かった。日本の半額に届かない。今回の台湾旅行は、日本の旅行社に頼んでホテルと往復の飛行機だけ予約してもらった。3泊4日で8万3000円。この金額では国内旅行さえ難しいだろう。現地で使ったお金は2万円に満たなかった。

 ホテルは台北市内のシティーホテルに泊まった。1泊4000円くらいか。東京のちょっとしたビジネスホテルが12000円だから、割安感があった。地理的には台北の中心部で、きれいなホテルだった。バイキングだが朝食がうまかった。

 台北市内はタクシーで移動することが多かった。料金はちょっと足を延ばしても500円ほどで、2000円もかかる場所に行ったら台北を出てしまうだろう。タクシー料金は日本の3分の1くらいの感覚である。運転手の接客はまああんなものだろう。特別な免許がいるらしい。日本語ができて愉快な運転手もいた。

 電車やバスの料金は、距離で換算すると日本の半額くらいの感じだ。新幹線も同様だった。

 食事代も安く、屋台のラーメン程度なら一杯150円から250円だ。ちゃんとした店でショーロンポウやシウマイをたらふく食べて、紹興酒を浴びるほど飲んで3000円くらいである。

 占いや足裏マッサージの店があったが、これらは観光客相手で原材料費がかからないのに、それなりの金額を取る。そもそも、こうしたもの興味がないので行かなかった。

 今回呆れたのが日本人観光客だけをターゲットにしているフカヒレと伊勢海老とアワビを食べさせる店だった。どんな観光ガイドにも一流店のように書いてあるので行ってみた。入店するなり大きな音でロックがかかっているので、何だこれは?と思った。クラゲやキュウリ漬けの突き出しが、安食堂のような雑な盛り付けで、おいしくないのでイヤな予感がした。客は全員日本人だった。

 イヤな予感は的中した。フカヒレは小さなものばかりが出た。フカヒレは大きさが命なのだ。そのスープにはコクがない。伊勢海老に至っては、硬くて味がしないどころかカルキ臭い。まるで災害の救援物資のようだ。アワビはチリ産アワビとあったが、あれをアワビだというならイソギンチャクだってアワビだと言える。とにかく、なんの生物だか分からなかった。ほとんどを残してしまった。店の女給は「もう食べないのか?」とゼスチャーで言ったが、私は「早くひっこめろ!」と思いきり不愉快な態度で応えた。

 酒代別で5000円以上取られた。まったく日本人観光客をカモにした詐欺である。舌が肥えた日本人なら口コミでぱーっと悪評が広まってしまうはずだが、そのような情報はなかった。店の主人夫婦は豪華なロレックスの腕時計を着けていた。荒稼ぎをしているのだろう。楽しかった今回の台湾旅行の唯一の汚点だった。

 酒場があったら、どのようなものか見てみたかったが、日本のバーや居酒屋に当たる店は見かけなかった。現地の人は酒をあまり飲まないように感じた。

 酒場や風俗店がないはずがない。たぶん、それらは1か所に集まっているのだろう。今回の旅行ではそのような場所に当たらなかっただけだと思う。30年前に先輩が男2人で昆虫採集に台湾を訪れた。そのとき、男2人だったからいけなかったのだろう、行く先々で女を押し付けられて困ったという。

 レストランに行けば「あの娘はどうだ?」と美人のウエイトレスを指して店員が薦める。ホテルに居ればやり手婆がわざわざ部屋まで女の注文を取りに来る。うるさくて仕方がなかったそうだ。エイズなんて、まだ名称さえなかった時代である。当時の台湾は貧しかったのだろう。

 今の台湾の若い女の子は、服装もちゃんとしていて、それなりにおしゃれをしている。だが、観光で来た日本人のギャルのほうがきれいに見えた。顔つきは台湾人は日本人と区別がつかないのに、である。日本の女の子のほうがアカ抜けているのだ。服装や化粧に微妙な違いがあるのだろうか?

 いや、話がそれてしまった。台湾の物価は商品の内容が日本と似ている分だけ安く感じた。3年前に行ったカンボジアも安かったが、料理もホテルの構造も日本とは全然違うためか、カンボジアには台湾ほどの割安感はなかったと記憶する。