Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

将棋

2008年11月13日 | 東京
 父は昔から「古道具屋」が好きである。近所の古道具にぶらりとでかけては、店主と話して帰ってきたり、たまに掘り出しものをみつけると、当然ながら値切りまくって、「そんな値段じゃ売れない」というぎりぎりのラインで妥協して買ってくるのである。たぶん、そんなやりとりもトータルにして「古道具屋」が好きなんだと思う。
 そんな父が最近見つけてきたのが将棋だった。昨日、実家に泊まった私に、父は「銘の入ったいい将棋を買ったんだ」と自慢ありげに話し始めた。値切ったそうだが、2000円以下にはならず、「それならおまけを付けてくれ」といって、木製の折りたたみ将棋版と木製の印鑑ケース(ボールペンもついている)までもらってきたという。
 将棋はもちろん彫ってあり、そこに漆が埋め込まれている高級品(なのだそうだ)。確かに王将に銘が刻まれている。そういうことも私は知らなかったが、実はもっと知らないことがあって父親に笑われてしまった。王将は当然二つあるわけだが、一つは「王」で一つは「玉」であること。さんざん子どもの頃に将棋で遊んだにもかかわらず、そんなことに気づいていなかったのである。ちなみに父は、「お前の息子はそんなこと、とっくに知ってるぞ」という。確かに今、親父と私の息子は「将棋の友」で、聞いた話だと相互に勝ち負けを繰り返しているという。恥ずかしながら、私は子どもの頃、父に将棋で勝った記憶はほとんどない。