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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

Manneken――東京街歩き(2)

2008年11月24日 | 東京
 銀座4丁目交差点の近くにあるMannekenの前を通るだけで、ほんのりと甘い焼きたてのワッフルの香りがします。銀座を夕方歩くときまって、そんなおいしそうな香りにさそわれ、いつもこの店の前にできている行列の後ろに並んで、一つだけチョコレートワッフルを買うことにしています。焼きたてのワッフルの表面はサクサク、チョコがほんのり甘くて素敵な味がするからです。
 Mannekenは大阪周辺に多いベルギーワッフル屋さん。梅田駅やなんば駅、もちろん伊丹空港にもあります。大学院に行くときに通った千里中央にもあり、大阪の街ではどこでも見かけるワッフル屋。それでも大阪だって夕方になればこの店の前に行列ができるくらいなお店。私が勝手に大阪名物と称して、大阪での息子との二人旅でこのお菓子を食べさせたこともあります。東京では銀座4丁目でしか見たことはありませんが、やはりこの場所にあると大阪の「庶民のワッフル屋」とはちょっと違って見えるところが不思議です。それが「銀座の力」でしょうか。店構えもとてもお洒落な気がします。この店、上の部分に鏡がついていて、4丁目の対面のビルが写ります。それだけでも風景を合成したような不思議な光景が生まれます。
 ベルギーにいったときワッフルをよく食べました。高級なワッフルはブリュッセルのカフェで食べたナイフとフォークを使って食べるようなワッフルで、お皿にフルーツや生クリームが美しくデコレーションされていて、見るだけでも楽しませてくれるようなお菓子でした。でもやはり私が堪能したのは、街を歩いているとあちこちに点在するスタンドのワッフル屋さん。一つ買うと、日本のMannekenのように紙にくるんで渡してくれます。それを歩きながら食べるワッフルが最高。一番思い出に残るのは11月の寒くなったアントワープで暖かいワッフルをほおばったこと。ほのかに体が温まった記憶が残っています。銀座の街歩きは、不思議とそんな感覚まで思い出させてくれます。