社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「闘病記とグリーフワーク-遺族が書くことの意味-」門林道子(2010)

2010-09-13 11:32:58 | 看護学
『死別の悲しみから立ち直るために』平山正実/編著 聖学院大学出版会

遺族が書く闘病記を通して、グリーフワークとはなにかを分かりやすく言及している。
多くの遺族が闘病記を書き始める時期は、グリーフワークの「再生」の時期と一致する…など、興味深い分析が多くあった。

引用
・悲嘆作業すなわちグリーフワークとは、故人の死を再確認し、追悼する作業である。そして、同時に遺されたものが、再生し、また新たな人生に向かって一歩を踏み出すための心理的成長の変容過程だといえる。
・「遺志の社会化」…故人の残された意志を聞きとって、それを社会にいこうとする遺族の行為。


書くこと、描くことは、遺されたものの感情表出の大切な一方法であると、ある洋書で読んだことがある。
健康なときでも、悩みやストレスがたまったときに、書きなぐったり、喋りたおすことは、頭の整理につながることもある。
遺されたものにとって、書く/描く行為は、頭の整理にとどまらず、感情の整理にもつながるのだろう。
援助者には、書かれた/描かれたものは何を意味するのか。それを追求できる、それに寄り添う技術が求められるのだと思う。




死別の悲しみから立ち直るために (臨床死生学研究叢書 2)

聖学院大学出版会

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