サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

落ち込んでる時に聴く音楽その④ 異常気象/PERIDOTS

2017-09-04 | お気に入りの楽曲









どんな夜にすがって
元に戻ったことにしても
意味はないさ
僕は僕がわからないんだ












この曲は「Follow the Stars」というアルバムの中に入っている一曲ですが、
まず8分とかなり長尺の楽曲です おまけに、超スロウテンポのバラッドに仕上がっていて
多分その時点で聴き手を選ぶ楽曲じゃないかなあ、って個人的に感じます
少なくともフェス等の盛り上がり重視の音楽とは一線も二線も画してしまっている深淵を巡るディープバラードですね。

虚無・・・に近い心境を淡々と、沸々と歌いあげる楽曲に仕上がっているんですけど、
表現の仕方がとても絶妙で、いつの間にかそこに居ないような存在になってしまっている自分を比喩したり揶揄したり、
そんな状況に耐え切れない想いを吐露したり、、、と正直聴いてて楽しくなったりする音楽では決してないです

例えば、なんらかの影響によって脊髄反射的に、その場しのぎの「やる気」や「希望」を得たとする
だけど、それって結局のところ何の解決にもなってないただの“感化”にしかなってないパターンの方が多い
いくら自分を鼓舞したところで、
諦めない気持ちを奮い立たせたところで、
ぶっちゃけ「何か」が変わる訳でもないし、
突然自分自身の能力やポテンシャルが変化する訳でもない

つまりは・・・そういうの「無駄」なんですよね。
いくら気分を変えてみたところで、希望を信じてみたところで、
なんだかんだで絶望しちゃってたり堪え切れずにつまずいちゃったりしている自分ばかりが目に付く「だけ」
だからなんというか・・・正直こういう事「も」歌う人が何故いないんだろう?というか、
諦めない/頑張りますの応酬じゃ単なる宗教にしかならない気がするんですよね


この曲はね、
そういう曲とは違って
本当に自分の側に寄り添ってくれるというか、
芯から響いてくれるというか、
ただ、
悲しくて
虚しくて、
やり切れない気持ちに共鳴してくれる・・・
それだけで、
でも、
それだけなのが逆に良いんですよ。

身の丈に合わない期待を持たされても結局は絶望が待っているだけなんで、
それだったら、悲しみと手をつないで地に足を付けて歩いていく方がよっぽどいい。
諦めない事も重要ですけど、時にきっぱりと諦める事も同じくらい重要で。







薄目を開けて見てたら
君の近道が綺麗だった
どんな世界を目にしてきたの
思い出にさえもしないで




ここまで独自の解釈を繰り広げて来ましたけれど、
この曲は人が持つ根源的な孤独をとことんまで掘り下げた楽曲になっているんですよね
だから8分も必要だし、曲調も決して派手で楽しいものにしてはならなかった
長尺で寂しい楽曲にする必要がどうしてもあった・・・という
色々な意味でフォーマットに必然性が沁み込んでいるのがいいですね

疎外感だとか、他人との距離感だとか、劣等感だとか、虚無感だとか・・・
そういうものを少しでも、いや、かなり感じちゃってる人には響いてくれる楽曲なんじゃないかと思います
何かをあっさりと出来る他人と、何でもじたばたと出来なくて途方にくれる自分と・・・。
入り口はとても狭い曲かもしれませんが、ある種普遍性の高い楽曲でもあり
ハマる人はとことんまで感情移入してしまう、、、
少なくとも自分にとってはそういう曲です
大好きな一曲、
この楽曲に関しては機会があればめいっぱい語りたいと思ってたんで、今回記事に出来て本当に良かった。










いくら安い火種で自分を鼓舞したって、
ちょっと経てばままならない現実に苦しむだけ
だとしたら、
ちゃんと自分の弱さや至らなさを認めて、地に足についたやり方で一歩一歩進む方がよっぽどいい。
苦しさを保ちながら、後ろ向きでトボトボ歩いていけば良い。手前にしか歩けない道を—————。

・・・本当は言語化出来ないくらいに凄いと思う楽曲なんですけどね。
魅力が伝わったかどうかはともかく、今回はそれでも言葉にしておきたかったんです。