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荻野純新連載!「透明人間の骨」 第一話「烏兎」 感想(ジャンプ+)

2017-09-26 | 荻野純








一年前の読切版の感想

【“正しさ”では救えない領域へ―――】荻野純「透明人間の骨」 感想(ヤングジャンプ 2016年31号)







γ以来実に3年ぶりの新連載である
あの頃は毎月感想書いてアンケ送ってファンレターも送って・・・と、応援頑張ってたなあ。とか思う(笑
確か記事に対するコメントも毎月(同じ人から)あって、色々な意味で印象深い作品でした
前のブログのγカテゴリから今でも前作の感想が読めるので是非読んで欲しい。

この新連載は、
一年前にヤングジャンプに載った同名の読切をそのまま連載にしたものです
当時と同じシーンも織り交ぜながら基本「再構築」されている、、、というのが個人的な印象でしょうか
つまりはあの読切から地続きなのであれを読んだ人なら間違いなく気に入る出来でしょうし、
逆にこれで初めて知る人にとっては読切版の再構築なので読切を読んでなくとも入りやすい出来栄え・・・に、
仕上がってるのが個人的に流石だなあ。と感じましたし、本作の魅力を分かりやすく伝える良い手法だな。と感じました。


基本的な印象は、
冒頭リンクの感想とほぼ同じで
おさらい的な意味合いもあり、
「あの続き」をしっかりと書くんだ。という強い意志を感じる初回だったと思うんですが
読切版よりも演出や構成がシンプルに仕上がってるかなあ、と。

特に読切版ではなかった他の家族の描写を挿入して多面的に物語を魅せるようになったのは
正直読切版以上に冴えていた点だったと思いますし、上手かったな。と思います
他人が当たり前のように持っている「何か」を、
自分は持たなかった
持てなかった・・・という点に於いて
ある意味本作の象徴的なシーンの一つになってたんじゃないかなあ。と個人的には感じました
だからこそ、花が取った行動、主人公としてやった行為にも更に強い意味合いが出てくる訳で・・・
自分の力で、自分の意志で「当たり前」を取り戻すまでがこの初回の主な内容でした。


それにしても、
相変わらず荻野さんの漫画は読みやすいですね。
まるでしんしんと降る雪のような清廉としている作中観と
時に冷徹な視点が読んでいてめちゃくちゃ気分が良いですし、純粋に面白いです
過剰装飾がないっていうのかな・・・。ちゃんと粋な演出技法を表現されている気がして
そういう野暮ったい部分がない作劇もまた見どころだと個人的に思いました

自分的にはごちゃごちゃしてたり画面がうるさい漫画はあんまり好きじゃないんですよ(笑
だから、そういう意味でもやっぱり好きだな~と感じましたし、
分かる人だけが分かるような漫画ではなく、
誰が読んでも登場人物の想いや作中の演出意図が伝わって来る。

そういう秀逸な作品にちゃんと仕上げられてるところがやはり素晴らしいな、と。

ここまでこの感想を読んで、
「そりゃお前がファンだからそう思うんでしょ?」と思われるかもしれませんが
そういった贔屓目抜きにしても、何度読み返しても同じことを深く感じるので
これが自分の嘘偽りない本音ですね。。と堂々と断言出来ます
まあ正直影響力の無いブログ&レビュアーですし
ポピュラリティにも欠けてるので、この感想に価値なんて無いのかもしれない
もっとポピュラリティのある方が書いた方がよろしいのかも分かりませんが・・・
それでも、いちファンとして伝えたかったのでした


この漫画は特殊能力が出て来ますけど、
内容的にはかなりの割合で「ドキュメント」という側面が強い、、、と感じる
花の心境と背景をとことんまで掘り下げる構成からして“この子の人生をしっかりと描く。”という
物語で一番大切な主人公に対する生真面目なこだわりがちゃんと伝わって来る・・・あたりが
何よりも優れてて面白くて素敵だなあ。って個人的に深く感じたりしましたね

正直、
お話の流れを追っていくだけで楽しいと思いますし、
今回のこれは無料でいつでも読めるので、
本当に読んで欲しいですね。
本当に読んで欲しい。
特に、自分の文章が好きでいつも来てくれてるような方には是非読んで欲しい
無料でいつでも読めますし、自分の感性を信頼して欲しいです。そこまで思ってます。









世の中は白と黒で割り切れるような単純明快な事ばかりではない・・・
そうではない複雑でグレーな部分も多数存在するということ
この漫画は、
早くもそういう複雑に入り組んだ現実と心境を描いてくれてるので、
その意味でも個人的に期待なのです。最後に、新連載開始本当におめでとうございます・・・!
零細ながら今回も堅実に応援していきたいです。よろしくお願いします。