Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

2枚のシベリウスVn協奏曲

2011年05月01日 | ピュアオーディオ

あちこちのブログで評判の良いヒラリー・ハーンのシベリウスVn協奏曲。私も求めて聴いて見ました。シベリウスのVn協奏曲は数年前に諏訪内晶子さんのものも所有しています。今回改めて聴き比べて見ました。

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演奏のグレード的にはどちらの奏者も申し分のない演奏だと思います。オケの実力も伯仲しています。しかし決定的な違いの有る録音です。

どちらを取るかと聞かれれば諏訪内さんの方の演奏を取ります。その理由は録音の正当性に有ります。

諏訪内さんの演奏は「演奏会で聴く」スタイルで自然な配置の録音です。ヴァイオリン奏者が向かって左側に居て、奏者が右側に行く事は有りません。これに対してハーンの録音は「カラオケ」と共演しているかのようです。録音が作為的で「ミキシングで遊んでいる」と感じます。何故ならヴァイオリンが基本的に中央に定位し、左右にヴァイオリンが動きます。曲の途中で録音の「継ぎ目」さえ聴こえます。せっかくの演奏が台無しになっている様に感じます。

最近録音が良くなったのは良い事だと思いますが、録音エンジニアが作為的に音を重ねたり、つぎはぎをしたり、独奏者が動くはずもないのに大きく左右に動いているかのような録音にはヘキヘキさせられる。こんな録音で「音場空間表現」を云々するのもおこがましい。

JAZZの録音でもベース・ドラムス・ピアノが中央に定位した録音・・・(こんな事は現実にはあり得ない定位)が有ります。楽器の配置的に「有りえない配置」で録音エンジニアは何を考えているのか?と疑う録音が多くなっている。