SPシステムやパワーアンプの伝送ロス対策は既に完了していますが、なかなか次のプリアンプに入れないでいました。
プリアンプは内部配線が複雑で配線交換が一筋縄ではいかない為に、Tr型のプリと管球パワーアンプの組み合わせを採用していました。プリアンプを管球式にして、パワーアンプをTr型にしようかとも考えましたが、既にパワーアンプに対策を施していますので、ここは予定通りに「管球プリアンプ」に進みます。
Tr型のアンプと管球アンプではデバイスが違いますので「質感」がかなり違います。Tr型の音は「無の中からいきなり音の小さなペレットが出て、そのペレットが大きくなってリスナーに届く」様に感じます。これに対して管球のアンプは「無の中から音が湧いてくる」様な感じを受けます。アナログとデジタルの違いと同じ様だと思います。
システム全体の「伝送」を考えると、機器間(ラインケーブル・SPケーブル)の伝送ロスはケーブルを良質にする事で対策出来ます。問題は機器の内部に有ると思っています。その為に管球パワーアンプの内部配線を交換して、「一本のケーブル」の思想にたどり着きました。
Tr型アンプの場合、①電子パーツのリード線や内部に配線が非常に細い(Trの場合、中にペレットが入っていて、そのペレットの印刷配線はミクロンの単位、またエミッター・コレクター・ベース間を配線しているのも5ミクロンくらいの金シリ配線) ②プリント基板の配線で断面積が小さい。 ③一個一個の容量が小さい為、数多くのパーツが使われている(部品点数が多い) ④プリント基板間やソケットを接続される配線も細い ④コネクターで接続され接触抵抗が大きい 等の「伝送ロス」に対して厳しい問題が多く、その問題点がサウンドに出ていると考えます。
管球アンプでも問題が無いわけでは有りません。従来の一般的な考え方で作られていれば、Tr型アンプのSN比や周波数特性でかないません。回路的にはどれが良いのか?はまだ判りませんが、部品点数が圧倒的に少ないのは良いのですが、その為にパーツのグレードで音質が大きく左右されます。特に「球」は非常に重要です。球次第で平凡な音にも稀有な音にもなります。
ようやくプリアンプの内部配線交換にたどり着きましたが、これがやはり一筋縄ではいかない様です。配線数が多く、またノイズ対策も必要で、すこしづつ歩を進めていくしか有りません。