先日行われたボストンマラソンで、ケニアのジョフリー・ムタイ選手が2時間3分2秒という驚異的な記録で優勝した。これは、エチオピアのハイレ・ゲブレセラシェ選手が2008年のベルリンマラソンで記録した2時間3分59秒を57秒上回るものだが、この記録は世界新記録とはならない。
マラソンの場合、コースによって記録が変動しやすい競技のため、その昔は国際陸上競技連盟が記録公認をしていなかったが、2004年に記録公認諸条件(公認コースの条件)を整備した。公認コースの条件の主なものは以下の通りである。
① コースの長さは競技距離より短くてはならず、かつ誤差は競技距離の1000分の1以下(フルマラソンの場合 42メートル)
② ①の条件を満たすため、距離の測定にあたっては、1001メートルをもって、1キロとする
③ スタート地点からゴール地点までの標高の減少は競技距離の1000分の1以下(フルマラソンの場合 42メートル)
④ スタート地点とゴール地点との距離は、直線で競技距離の2分の1以下→スタート地点とゴール地点は必ずしも同一でなくても良いので、東京マラソンのようなコース形態でもOK
ボストンマラソンの場合、世界の主要レースの一つとして認められている大会ではあるが、上の条件の③と④を満たしていないため、国際陸連の公認コースとはならず、いくら優秀な記録で走ったとしても、世界記録として認められる事はない。
ただ、世界新記録には認定されないものの、ボストンマラソンで2時間3分2秒で優勝したという記録は後世まで残るので、それはそれで素晴らしい事だと思います。
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