ラブリー オールド ライオン/ジュリア・ジャーマン・作 スーザン・バーレイ・絵 こだま ともこ・訳/フレーベル館/2015年
レニーのおじいさんの王さまライオンは、レニーの名前も思い出せなくなり、朝と夜の区別がつかなくなり、すごろくやサッカーの遊び方も忘れてしまったようでした。
カバおじさんが、「王さまラインは すっかり 年をとって、からだのあちこちが くたびれてきたんだよ。あたまのなかも おんなじさ。だから、わすれんぼうに なったんだ」と、みんなに はなしてくれました。
じゃあ、「たすけてあげなくちゃ」と、レニーは おじいちゃんがむかしあそんだビー玉をみんなに 見せました。王さまライオンは、ビー玉で遊んだこと、ワニぼうずを からかったこと、水遊びしたことを思い出しました。それから おじいちゃんの ともだちは しょっちゅう たずねてきてくれました。
おじいちゃんは まえより げんきになりましたが、くたびれた あたまのなかを なおすことはできません。ますます わすれんぼうになって、どんどん いろんなことが わからなくなりました。
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やがて、王さまになったレニーも、おじいちゃんの年に近づいてゆき、ちょっぴり わすれんぼうになりました。
子どもに認知症の話をするのは、むずかしそうですが、「忘れん坊になっても、いつだって そばに いてあげるよ」って、いってあげる存在になるよう 話したいもの。