おらは ほっぺたがでっぱったオス。でぱったほっぺは、だれでもなれるわけではないんだ。このあたりで いちばん つよい オスだけだ。
メスにモテモテになるのはいいけれど、おらのような 大きなオランウータンにあったら、うおー うおう うおう とおくまで ひびきわたる 声で おどろかす。
ねむるのも、たべるのも、トイレも、ぜんぶ 高い木の上。森には おらたちの たべものがすくないんだ。わかばや、木の皮で しのいでいるが、みんながおなじ木にあつまってきたら あっというまに なくなってしまう。ほどよい距離を たもってくらす。これが たいせつなのよ。
90キロの おらが 木の上から おちたら どうなる? いっぽいっぽ いのちがけ。
ひとりぼっちで いきているが さみしくないんだぜ。
ボルネオのオランウータンのモノローグでその生活ぶりが 描かれているのですが 木の上から落ちそうになって、枝につかまる手の質感に目を奪われました。さいごに、「おらたちが この もりで あんしんして くらしていられるように おうえん よろしくね。」というメッセージで しめられています。