どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ちゃいろいつつみ紙のはなし

2020年08月02日 | 創作(外国)

    ちゃいろいつつみ紙のはなし/アリソン・アトリー/作 松野正子・訳 殿内真帆・絵/福音館書店/2015年

 

 いまは包装紙といってもカラフル。一時代前の何の変哲もないちゃいろい包み紙のおはなしですが、大事にされた紙の気持ちがこもっています。

 クリスマスの前に買われていった ちゃいろの包み紙は おばあさんへの贈り物の包み紙として利用されました。

 箱の中には、内側が、ふわふわの白い毛皮でできたお部屋ではく真っ赤な靴。

 三か月がすぎて、イースターがちかづくと、おばあさんは自分あての名をけして、孫たちへのあて名をかきました。

 箱の中には、二つはチョコレートで、一つは青いビロードで、四つ目は木でできた 小さなイースターのたまご。

 木のたまごの中には小さなきいろいひよこ、青いビロードのたまごには銀のゆびぬきがはいっていました。

 男の子は、クリスマスのときつかった紙と きがつき、「うわあ、すっごい!もどってきたんだ。この紙もよろこんでいるかなあ!」といいますが、お姉ちゃんは「紙はなんにもかんじられないわ」と、素っ気ありません。けれども紙は体じゅうでばりばり音をたてて、「よころんでいますとも。とってもよろこんでいます」と、ささやきました。

 男の子は、ちゃいろいつつみ紙に花や小鳥、動物、空や飛行機も描いて、お母さんに絵を壁にとめてもらいます。

 ちゃいろい紙は、元気いっぱい、いきいきとうたいました。

 「うれしい、うれしい、うれしいな!だって、わたしは、ほんとの絵、ちゃんと、壁に貼ってもらって、みんなが、みんなが、みてくれる!」

 日本の方の絵ですが、切り絵でしょうか。とても雰囲気が出ている素敵な絵で、見るだけでも楽しめます。


 昔、子どもたちが包み紙の裏によく絵をかいていました。なんでも手に入るようになってほとんど利用しなくなりましたが、我が家では何かに使えるだろうと、たっぷりの包み紙が保管されています。

 小包の結び目は、ロウを火で溶かして固めた封蝋がされますが、以前NHKテレビで放映された「ツバキ文具店 鎌倉代書屋物語」のなかにも、でてきました。

 封蝋された手紙には、その人の思いが詰まっています。