ちゃいろいつつみ紙のはなし/アリソン・アトリー/作 松野正子・訳 殿内真帆・絵/福音館書店/2015年
いまは包装紙といってもカラフル。一時代前の何の変哲もないちゃいろい包み紙のおはなしですが、大事にされた紙の気持ちがこもっています。
クリスマスの前に買われていった ちゃいろの包み紙は おばあさんへの贈り物の包み紙として利用されました。
箱の中には、内側が、ふわふわの白い毛皮でできたお部屋ではく真っ赤な靴。
三か月がすぎて、イースターがちかづくと、おばあさんは自分あての名をけして、孫たちへのあて名をかきました。
箱の中には、二つはチョコレートで、一つは青いビロードで、四つ目は木でできた 小さなイースターのたまご。
木のたまごの中には小さなきいろいひよこ、青いビロードのたまごには銀のゆびぬきがはいっていました。
男の子は、クリスマスのときつかった紙と きがつき、「うわあ、すっごい!もどってきたんだ。この紙もよろこんでいるかなあ!」といいますが、お姉ちゃんは「紙はなんにもかんじられないわ」と、素っ気ありません。けれども紙は体じゅうでばりばり音をたてて、「よころんでいますとも。とってもよろこんでいます」と、ささやきました。
男の子は、ちゃいろいつつみ紙に花や小鳥、動物、空や飛行機も描いて、お母さんに絵を壁にとめてもらいます。
ちゃいろい紙は、元気いっぱい、いきいきとうたいました。
「うれしい、うれしい、うれしいな!だって、わたしは、ほんとの絵、ちゃんと、壁に貼ってもらって、みんなが、みんなが、みてくれる!」
日本の方の絵ですが、切り絵でしょうか。とても雰囲気が出ている素敵な絵で、見るだけでも楽しめます。
昔、子どもたちが包み紙の裏によく絵をかいていました。なんでも手に入るようになってほとんど利用しなくなりましたが、我が家では何かに使えるだろうと、たっぷりの包み紙が保管されています。
小包の結び目は、ロウを火で溶かして固めた封蝋がされますが、以前NHKテレビで放映された「ツバキ文具店 鎌倉代書屋物語」のなかにも、でてきました。
封蝋された手紙には、その人の思いが詰まっています。