
ラベンンダーのくつ/アリソン・アトリーおはなし集/松野生子・訳 大島英太郎・絵/福音館1998年
表題作のほか4編。
一羽の小さい白いメンドリが、狭くてうるさいところはごめんと、農場の鶏小屋を抜け出し、黄色い干し草の山のところに小さい家をつくりました。
そこで茶色いウサギとノネズミが同居し、暮らしはじめました。働き者の白いメンドリはてきぱきと家の仕事をかたずけます。床を掃いたり、ノネズミがはこんできたコムギのつぶでパンを作る用意をしたり、いい匂いの干し草でみんなのベッドをつくったり。
ところがウサギはあそぶのがすきで、メンドリのやっかいもの。
ある日、大きなあかいキツネがやってきて、干し草の山のかげに、小さな白いメンドリをみつけます。
メンドリがそとにでてみると、そこにはキツネ。キツネは「もうだめだ。わたしは死にそうだ」というので、クロスグリのお茶を口に入れてやったメンドリ。
すぐにもメンドリを食べようとしたキツネでしたが、気が変わってもっといいことをおもいつきました。メンドリに家政婦として働いてもらおうとあれこれ、話しかけるとメンドリはキツネの家にいくことになりました。
やせたメンドリがもっとふとってから食べようとしたキツネは、ウサギもいると聞いて大喜び。
メンドリはキツネの家をすっかりきれいにします。
ところが、棚の上にあるみどり色の本を見つけ、よんでみてびっくり。
<キジをたぶらかして木からさそいだすには><アヒルがおよいでいるところをおそうには><ねむっているウサギをつかまえるには>、さらにページをめくると<うまいことをいってメンドリをさそいだすには>。
本の一番うしろの2ページは、めくれないようにくっつけてありましたが、メンドリはするどいくちばしをつっこんで中にかいていることを読みました。
そこには<つみたてのカウスリップで花わをあみなさい。その花わを首にかけなさい。そうすれば、どんなきけんもまぬがれるでしょう>と、ありました。この花わを首にかけると姿が見えなくなるのです。
やがて、ウサギがもってきたカウスリップの花で、無事キツネのところから脱出することに成功したメンドリでしたが・・・。
小さい白いメンドリは働き者で、キツネにあったときは、恐ろしさを知らなかったのですが、キツネのところでだんだん正体がわかってくるあたりは、どきどきです。