どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

長者のむこ・・宮城

2021年12月05日 | 昔話(北海道・東北)

       宮城のむかし話/「宮城のむかし話」刊行委員会編/日本標準/1978年

 

 助けた者から、助けてもらいメデタシになる昔話。

 貧しい男が、いじめられていたサル、カメ、アブをたすけて、先に進んでいくと長者さまの門口に立て札。

 「川こえて、杉の木のてっぺんで踊りこ おどったら、むすめのむこにする」という。

 男もやってみることにして、着るもの、扇、鉢巻き用の手ぬぐいまで渡され川まで。ところが大きな川で流れも急。そこへカメがあらわれ、カメの背中に乗って向こう岸へ。

 杉の木のところまでいってみると、高い高い木で、とても登れない。そこへサルがやってきて、男の持っていた着物を着て、扇を腰にさし、すいすいとのぼり 扇をかざして踊ります。

 むこにするといったものの、長者の本心は別。そこで、おおぜいの娘をあつめ、このなかにいるむすめに盃をやるようにいい、まちがったら むこにしないと言い出します。男は見たこともない娘だから、どこにいるかわからない。ここでアブの出番。それでめでたく長者のむこに。

 

 助け助けられるのが一度というのは、よくありますが、三度の繰り返しが続くのは日本には珍しい。ここにでてくる男は乞食とありますが、お金でサル、カメ、アブを助けています。いじめているのが”わらすたち”と、こどもですが、あくまで後半へのつなぎでしょうか。