ぼくのたび/みやこし あきこ/ブロンズ新社/2018年初版
大きなかばんを持ち、自転車にのって、旅に出たぼく。
飛行機に乗って、知らない町から知らない町へ。海岸を眺め、懐かしい友人のもとへ。
虹を眺めながら車で、とおくへ とおくへ。
でも、これは夢。小さくても、いごこちのいいホテルで、世界中のお客さんをむかえてきた ぼく。真夜中、仕事をおえ、しずかに目を閉じます。
言葉も文化習慣もことなる多くの旅人をむかえてきたホテルマンですが、小さな町から一歩もでたことありません。そんなぼくの、世界中のお客さんにあいにいけたらという思いが伝わってきます。
ホテルは交差点に似ています。様々な暮らしがつまっている人が交差しますが、交わることはありません。
現実がモノクロ、空想が淡いカラーで描かれていますが、ホテルに泊まった人から届く手紙が壁一面に貼られているようすはカラー。
願いは実現できるのでしょうか。
リトグラフで描かれた味わい深い絵です。