どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ふしぎなはな

2021年12月30日 | 紙芝居(昔話)

      ふしぎなはな/脚本・絵 藤田勝治/童心社/2009年(12画面)

 

 ジャワの昔話よりとあります。あまり見たことのない描かれ方の人物と背景の絵。現地取材して描かれたのでしょうか。

 がんこな王さまに、おぼうさんのキアイが意見すると、王さまは怒り、キアイを殺すように命じます。予期していたキアイは、お祈りをして王さまを待ちます。

 おおぜいの兵隊がキアイを取り囲み、王さまが剣で切りかかると、海から大きな竜があらわれ暴れまわります。生きた心地もなかった王さまでしたが、風が収まると竜は消え、なにごともなっかたように、キアイの姿がありました。

 「わたしは すべてが おもいどおりに なると おもっていたが、それは まちがっていたのだ。どうすればよいのでしょうか。」と、王さまがたずねると、キアイは、「むこうにみえる島。あそこに 真夜中に ほんの いっときしか さかない 花があります。その花をもちかえることができれば、王さまのこたえは みつかるでしょう」と、こたえます。

 荒れ狂う波のなか幾日も幾日も船をこぎすすめ、やっと島に着くと、こんどはつぎつぎに魔物があらわれ、王さまを ののしります。それでも 花は見つからず、王さまはついに 動けなくなってしまいます。すると、かぐわしいかおりがただよいはじめ、ひかりのなかに 女神が現れます。

 ここにでてくる花は 月下美人で、傲慢になっていた王さまは、「この花に誓って 民のための 王になろう」と改心し、立派な王さまになるという話。

 この王さま、どれだけ横暴なのかが あまりでてこないでので、最後に反省するあたりがあまりにも さっぱりしすぎ。

 

 インドネシアのジャワ島やバリ島でおこなわれるワヤン・クリとよばれる影絵芝居では、もうすこし長い芝居でしょうか。