どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

つきのばんにん

2021年12月12日 | 絵本(外国)

      つきのばんにん/ゾシエンカ・作 あべ弘士・訳/小学館/2021年

 

 月の番人シロクマのエミールは、月がだんだんやせていくので、おなかがすいたのか かなしいことがあるのか心配です。

 ホタルがやってきて「どのおみせにも うっていない くだもの なあに?」となぞなぞ。だれかが すぐに「なし」とこたえると、月はくすっと わらいました。

 エミールが ヒョウに電話すると、ヒョウは月を見ながら「たべたあとのスイカみたい」と、こたえました。

 「ものごとは、おおきくなったり ちいさくなったり、きえたとおもったら あらわれたり するものなのよ。あなたにも わかるときが くるわ」と、鳥はおしえてくれます。

 消えた月が、夜をおうごとに おおきくなって また おおきな まんまるい 月。

 動物会議で「月の番人」に選ばれたエミールが、森のみんなに必要な月の光を守るため、月にかかるあやしい雲をほうきではらったり、コウモリが 月をよこぎるのを注意したり、月と語りあったりするでだし。

 木に登っているエミールのバッグの中身が楽しい。ノート、懐中電灯、網、パチンコ、ろうそく、スケール、ペンチなどなど。何かあったらすぐに対応しないといけないので、中身はいくらあっても よさそう。

 子どもたちは、月の満ち欠けがわかっていますから、心配することないよと声が出そうです。