つきのばんにん/ゾシエンカ・作 あべ弘士・訳/小学館/2021年
月の番人シロクマのエミールは、月がだんだんやせていくので、おなかがすいたのか かなしいことがあるのか心配です。
ホタルがやってきて「どのおみせにも うっていない くだもの なあに?」となぞなぞ。だれかが すぐに「なし」とこたえると、月はくすっと わらいました。
エミールが ヒョウに電話すると、ヒョウは月を見ながら「たべたあとのスイカみたい」と、こたえました。
「ものごとは、おおきくなったり ちいさくなったり、きえたとおもったら あらわれたり するものなのよ。あなたにも わかるときが くるわ」と、鳥はおしえてくれます。
消えた月が、夜をおうごとに おおきくなって また おおきな まんまるい 月。
動物会議で「月の番人」に選ばれたエミールが、森のみんなに必要な月の光を守るため、月にかかるあやしい雲をほうきではらったり、コウモリが 月をよこぎるのを注意したり、月と語りあったりするでだし。
木に登っているエミールのバッグの中身が楽しい。ノート、懐中電灯、網、パチンコ、ろうそく、スケール、ペンチなどなど。何かあったらすぐに対応しないといけないので、中身はいくらあっても よさそう。
子どもたちは、月の満ち欠けがわかっていますから、心配することないよと声が出そうです。