とびらのむこうにドラゴンなんびき?/ヴァージニア・カール・作絵 松井るり子・訳/徳間書店/2022年
公爵と公爵夫人には13人のおひめさまがいました。
ある日、森におさんぽにでかけたおひめさまたち。二人づつ手をつないだので、13人目のガンヒルダは、ひとりぼっち。
みんなは、花さく野原であそびましたが、ガンヒルダが、森の小道をとぼとぼ歩いていくと、茂みの隙間からドラゴンがあらわれました。
ドラゴンが とってもやさしそうだったので ドラゴンと遊びはじめたガンヒルダ。そこに12人のおひめさまが、ガンヒルダを探しにきて、お城につれていくことになりました。
これまでにもお城には、たくさんの動物がいて、けっしてつれてきてはいけないといわれていましたから、お城の一番高い塔の中へこっそりドラゴンを隠し、果物や あまいパン、ミルクにケーキを運んでいた13人のおひめさま。
ところが、この居心地のいい塔で過ごすうち、ドラゴンは どんどんふとって 部屋はきゅうくつに なってきました。
やがて、侯爵夫人が塔から炎があがっているのを大騒ぎになりました。狭い所より、外のひろびろしたところで くらしたほうがいいと、塔からだそうとしますが、太りすぎて、森に返してやろうにもどうにもなりません。
それでも、食べ物を運んであげたおひめさまたちでしたが、ある あけがた 扉を開けるとドラゴンのあかちゃんが うまれていました。数えてみたら、いるわいるわ12ひきも。そしてドラゴンも あかちゃんがうまれ ほっそりして 出口も通れるようになりました。
それから、侯爵夫人にいわれ、ドラゴンのあかちゃんは、上の12人が、ガンヒルダは、かあさんドラゴンと、もとの森に向かいます。
三、四歳ぐらいのおひめさまが13人。ほとんどのページに13人がいて、とっても小さく描かれています。緑を基調とした絵は、遠目にもはっきり見えそうです。