だいくと ねこ/文・荒井悦子 絵・堀川 波/教育画劇/2012年(12画面)
北風の吹く寒い朝、まいごのねこを 家に連れ帰った大工の佐吉。みけと名前をつけ、一緒に暮らすことにしました。
ある日、仕事中に倒れてしまった佐吉は目が見えなくなってしまいました。医者からは、もう目は治らんといわれました。たまのために、魚いっぴき買えないと落ち込む佐吉。
佐吉がうとうとするとみけが、佐吉のからだよじのぼり、両目をぺろぺろ なめはじめました。来る日も来る日も なめつづけました。
ある朝、にぎやかな声がして、「なんだろう?」と、扉をひらくと、光が一面にさしこみ、光のあたたかさが 感じられました。外は春爛漫、桜の花が 見事に咲いていたのです。ところがみけをよぶと、目は白く濁って 何も見えないのでした。おいらのかわりに、みえなくなったんだなと、佐吉は なきくずれました。けれども、佐吉は それからもみけをかわいがり、仕事もがんばりました。
桜の季節にぴったりの人情あふれる紙芝居です。