そらのほんやさん/くまくら 珠美/理論社/2023年
作者の紹介に、猫絵作家/画家/漫画家とあり、「そらのきっさてん」「そらのゆうびんやさん」も発行されているのでシリーズものです。
宇宙のどこかにある<そらのほんや>は、ふたりの猫が店主の喫茶店&本屋さん。いろんな楽器の音が聞けたり、おいしいにおいつきの本など こだわりのお店。
一匹の犬(オサム)がさがしていたのは、作家と一緒だったころ、作家がちっとも遊んでくれなくて、はらをたて、やぶって庭に埋めた本の半分。片方は、作家の引き出しにしまいこまれていました。でかけていった作家が帰ってこなくて、ひとりぼっちになったオサムが、埋めた場所がわからなくなった半分を探していたのです。この本屋さんには、半分にちぎれた本がありました。あわせるとぴったりでした。
ホシガラスが探していたのは、人形のクマのピーナッツブローチ。ピーナッツと勘違いしてもちかえったのでした。ブローチをなくしたクマは、とても悲しそうに見え、何とかみつけて かえしたいが 隠した場所がわからなくなったというのでした。かわりのものをプレゼントしたらと、ブローチコレクションの本の中から クマに にあいそうなものをみつけ、ホシガラスは、店をとびだします。
三人目は、絵本を探しに来た猫。引っ越しで人間に置き去りにされた猫に、絵本を読んでくれる子があらわれました。同じ屋根の下で暮らした子が、猫が空にきたので、大好きだった本も読めないでいたため、読み聞かせをする絵本を探していたのです。店主がすすめたのは、その子の夢の中に すこしだけ はいりこめる絵本。
三人はいずれも下界からのお客さま。
店主曰く、「本は<かこ>にも <みらい>にも いくことができる、すてきなものですから」
店主たちの背中には羽根。<かこ>と<みらい>をつなぐ、キューピットですね。