スイッチョねこ/大佛次郎・文 朝倉摂・絵/青幻舎/2022年
大佛次郎といえば、古い世代は「鞍馬天狗」ですが、子ども向けのものを書いているのをことをしってびっくりでした。
1975年フレーベル館から「安秦」さんの絵で発行されていますが、青幻舎版は、朝倉摂さん生誕100周年記念として発行されたもの。フレーベル館のものの記憶がある方も多いようです。
秋がきて、庭でいろいろな虫がなきはじめました。夏に生まれたいたずらな子猫のしろきちは、「あんないい声をしている虫だもの。きっと食べてうまいにちがいない」と かんがえていました。お母さんから、あたって。おなかをわるくする虫もいますからねと注意さてていたのにもかかわらずです。
しろきちは、なんども虫をねらっていましたが、なかなつかまりません。大きくあくびをしたとき、あいた口の中に なにかとびこんできました。しっかりねこんだと思ったら、お腹の中でスイッチョ!と、虫が なきはじめました。それから、しろきちが。はしりまわったり、じゃれてあそんでいりあいだは、だまりこんでいるのですが、すこししずかにしていると、ふいに大きな声でスイッチョ!となきたえます。
きょうだいから「やかましい」といわれ、つらくなるしろきち。顔を洗うひまもありません。お医者さんから、切開手術して、スイッチョをつまみだすかね、といわれ・・・。
文章は長め。旧版はひらがなばかりといいますが、新装版では漢字も使われています。猫のいきいきしたようすが 楽しめます。
スイッチョと鳴くのはウマオイといいますが、あまりなじみがありませんでした。