どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ふしぎな大名行列・・宮城

2024年10月22日 | 昔話(北海道・東北)

      宮城のむかし話/「宮城のむかし話」刊行委員会編/日本標準/1978年

 

 むかし、きれい好きなおばあさんが、たった一人で暮らしていた。おばあさんは毎日、囲炉裏の灰をきれいにならし、”火消し壺”には、ちゃんと蓋をしていた。

 ところがある朝、火消し壺の蓋をとると、その中から、大名行列が、ぞろぞろでてきて、「タギョウ タギョウ」といいながら、囲炉裏のなかをぐりーっと、ひとまわりして、「かきならす 灰は浜辺の潮に似てて・・・」って、歌の半分、上の句だけよんで、ぺろぺろって、壺に はいっていった。

 それが毎朝続くので、おばあさんが物知りおじいさんに相談にいくと、おじいさんは、「あんたの家で、半分よんだ人があったかもしれないから、下の句をつけ」るようにいう。
 物知りおじいさんが、いろいろ工夫して下の句をつけた。

 つぎの朝、「タギョウ タギョウ」って、大名行列がでてきて、壺のところに来ると、「かきならす 浜は浜辺の潮に似て・・」というので、おばあさんは、おじいさんから教えられたとおり、「波かと聞けば 松風の音」と、それにつけた。

 すると、つぎの日から、大名行列は出なくなったんだと。

 

 「かきならす 浜は浜辺の潮に似て 波かと聞けば 松風の音」・・風情のある歌ですね。


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