愛媛のむかし話/愛媛県教育研究協議会国語委員会編/日本標準/1975年
船旅で一緒になった人がそれぞれ自慢話をはじめます。
下関の人は、周囲12㎞の大きなケヤキの木があるといいました。
粟井の人は、12キロもある牛がいる。
すると大阪の人が、まわりが12キロある太鼓を作ったという。
ほかのもんが、「そんな大きな太鼓をどんな木で作った」かたずねると、大阪の人は。下関のケヤキの木でつくったという。
「太鼓の皮は、どこにあった?」ときくと、粟井の牛の皮を張ったという。
「皮は、なんで張った?」ときくと 大阪の人はいった。
「三人のいう、大うその皮を張りつけてつくったんよ。わかったろうが」
嘘もほほえましいものだったら、笑えるのですが・・・・